県高校ボクシング 上間、バンタム初V


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 ボクシングの第51回県高校選手権大会(主催・県ボクシング連盟、共催・県高校体育連盟、琉球新報社)最終日は24日、各級の決勝を行い、バンタム級は上間北斗(那覇)が初制覇した。最優秀選手にはウエルター級を制し、前大会までのライトウエルター級2連覇と合わせて3年連続で頂点に立った平仲信裕(南部農林)が選ばれた。

◆上間 “北大東の星”リングで輝き
 今大会最多の19人が参戦したバンタム級を制したのは、北大東島出身の上間北斗(那覇)だった。競技を初めてまだ2年。昨年の県新人大会で優勝を飾ったものの、その後は並み居るライバルたちに一歩及ばず、春季大会、県総体は準優勝に終わった。高校最後の大会でその悔しさを晴らし、才能を開花させた“北大東の星”は「ボクシングをやっていてよかった」と笑顔を見せた。
 決勝の相手はサウスポーの与那覇壱世(陽明)。気負いから大振りになり、序盤は苦戦したが最終ラウンドで落ち着きを取り戻した。冷静に相手の左を止め、攻撃のリズムを作っていった。3―0で勝利を収め「準優勝が続いていたからどうしても勝ちたかった」とほっとした表情を浮かべた。
 高校進学と同時に本島へ出てきた。慣れない都会暮らしに学校から足が遠のき、入部した陸上部もやめてしまった。そんな時、当時ボクシング部監督だった瀬良垣世堅さんに誘われた。そこからボクシングに打ち込む日々が始まった。「だんだん自分で強くなっていくのが分かる」とはまった。
 「ボクシング部に入ってなかったら、今ごろきっと何もやってなかった」と出合いに感謝する。高校卒業後も芦屋大(兵庫)で競技を続ける予定で「大学でいい成績を目指して東京五輪にも出られたらいい」と夢を描いた。(荒井良平)

◆平仲TKOで“3連覇” 左フックさく裂、一気にラッシュ
 14年南関東総体ライトウエルター級2位で、前大会まで同級2連覇中の平仲信裕(南部農林)。本来よりも1つ上のウエルター級で出場した今大会も圧倒的な強さを見せ、階級は違うものの“3連覇”を果たした。
 決勝は県総体覇者の根間大成(宮古工)と対戦。2ラウンドに左フックで顔面をとらえてぐらつかせると、一気にラッシュ。圧巻のTKO勝ちを収め「全力を出した。楽しかった」と余裕の表情で振り返った。
 高校卒業後はリオ五輪、東京五輪の代表を目指し、芦屋大(兵庫)で拳に磨きをかける。「入学したらすぐに関西リーグ戦がある。まずはレギュラーをつかみたい」と意気込んだ。

バンタム級決勝 右ストレートを放つ上間北斗(那覇)=24日、糸満市の沖縄水産高体育館(田盛良一撮影)
ウエルター級決勝 重いパンチで攻める平仲信裕(南部農林)