「へいわってすてきだね」作画・長谷川さんが講演


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社
幼いころの出来事を絵で描きながら絵本に込める思いを話す長谷川義史さん=20日、沖縄市民小劇場あしびなー

 【沖縄】沖縄市立図書館セミナーが20日、沖縄市民小劇場あしびなーで開かれた。安里有生君(美東小2年)の詩「へいわってすてきだね」を題材にした絵本の絵を担当した、絵本作家の長谷川義史さんが講演した。

幼いころから描くことが好きだったといい「好きなことをずっとするにも平和でないといけない。色彩や絵の場面で世界中にメッセージを伝えたい」と話した。安里君による絵本の朗読もあり、訪れた人は絵本の持つ社会的なメッセージ性や面白さを実感した。
 セミナーは市立図書館30周年・市制施行40周年を記念して開催した。
 「絵本がうまれるとき」と題して講演した長谷川さんは、安里君が住んでいた与那国島に会いに行った時を「どんな思いで、シンプルで力強い平和の願いを書いたのかなと思った」と振り返った。
 恥ずかしがり屋という印象の一方、5人家族で「今をとても大切に思っているからこそ平和であってほしいと願うんだな」と感じたという。
 2人で出版した絵本が多くの人に読まれてうれしい一方、「『平和が危険な状態』という意識が人々にある」と指摘した。憲法9条を変える動きなどを「怖い状況やと思う」と語った。
 小学生に「絵本で平和になるのか?」と聞かれたエピソードを紹介しながら、「有生君が言うように相手を思いやる心からしか平和は生まれない」と話した。