コザが初戦突破 全国高校ラグビー 山形中央に63―0


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
コザ―山形中央 前半1分、先制のトライを決めるWTBの普久原虎=28日、東大阪市の近鉄花園ラグビー場(関戸塩撮影)

 第94回全国高校ラグビー大会第2日は28日、東大阪市の花園ラグビー場で1回戦の残り11試合が行われ、コザは山形中央に63―0で圧勝した。コザはウイングの普久原虎が2トライ、松島颯が3トライを挙げたほか、桑江淳太郎、名護宏太、又吉恒太、石川大夢、島千尋が次々とトライを挙げ、FW、BK一体となって前後半計10トライで山形中央を退けた。

このほか石見智翠館(島根)が仙台育英(宮城)に49―17で勝ち、2回戦に進んだ。出場校中最多、53度目出場の大分舞鶴は青森北を43―7で下し、4大会ぶりの勝利を挙げた。佐賀工は34―14で札幌山の手(南北海道)を破り、21大会連続で初戦を突破した。初出場校同士の対戦となった近大和歌山―高岡第一(富山)は、高岡第一が15―12で制した。前回8強の報徳学園(兵庫)や秋田中央なども2回戦に進出した。30日の第3日はAシードで前回覇者の東海大仰星(大阪第2)や東福岡、国学院栃木などが登場する。

▽1回戦
コザ
 63―0(31―0,32―0)
山形中央

 【評】コザは強力なフォワードが押し込み、バックスが大きく展開する得意な基本の形ができた。山形中央の選手と1対1で勝負する場面では、攻守ともにコザに分があった。フォワードは素早い動きでボールに集まってラックから展開し、左右のウイングがトライを次々と決めた。前半は初戦の緊張と寒さからボールが手につかず、ノックオンなどミスが出る場面もあった。後半は動きも良くなり、計10本のトライで大差をつけた。
(関戸塩)

◆普久原虎躍動 勢い付ける
 「がちがちに緊張してるぞ。いつも通りにやれ」。試合前、當眞豊監督のげきが飛んだ。高校生ラガーマンの聖地、花園で迎える初戦。コザに緊張感が漂っていた。試合が始まると15人はがむしゃらに相手に向かっていった。左ウイングの普久原虎(たいが)がセンター桑江淳太郎からボールを受けるとスピードに乗って一人目のタックルをすり抜け、ゴール手前3メートルで相手フルバックにタックルされながらも左隅に飛び込んだ。前半1分のトライでコザの緊張が一気に解けた。普久原は「みんなのおかげで置いただけ」と照れた。
 一度決まり出すと地力に勝るコザは、17年連続23度目の花園常連校・山形中央を寄せ付けなかった。前半5分に密集から左に展開して桑江が決め、13分にも中央のラックから名護宏太が飛び込んで差を広げた。前半5本、後半5本、計10本のトライを決め、後半には控えの3年生を全員出す余裕も見せた。
 1年生唯一の先発の普久原は後半12分にもゴールゾーンを走るトライを決めた。6月の県総体は自身のミスから敗れ、大きな変化を見せた。「才能だけで動いていたが練習にまじめになった。責任感も出てチームの信頼も得ている」と當眞監督も認める。とら年に生まれ、強くなる願いも込めた名前の虎。黒と黄のタイガージャージーで知られる名門慶応が次戦。虎の虎退治に期待が高まる。(関戸塩)