シュワブ一部、地料上げ 防衛省、査定見直し65%増


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 【名護】名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ内の一部民有地について、防衛省が2015年度から賃料を前年比65%増額することを地主らに伝えていたことが10日までに分かった。「山林原野」としていた地目を単価の高い「宅地見込み」で査定し直す。米軍普天間飛行場の移設に向けた地元対策の一環とみられる。

 名護市軍用地等地主会によると、シュワブ内の開発で使用状況が変わっても1956年の土地賃貸借契約から地目が変更されない土地があり、地主間で賃料格差があったという。宮城恒雄会長は「対象地域はわずかだが大幅増額は初めてだ。長年の格差是正要求に国が応えたものと受け止めている」と語った。
 同会などによると、増額の対象はほとんどが私有地で、国道329号から海側にある米軍普天間飛行場の移設予定地区を含む兵舎地域にある。会は賃料格差の改善に加え、陸地部分の移設関連造成工事の状況も勘案して、政府に軍用地料の増額を求めていた。
 防衛省は2013年度から県内軍用地の評価見直し作業に着手している。
 同会の地主数は約680人。同会によると、シュワブ全体の年間賃借料は近年1・5%増程度で推移し、12年度は約26億3900万円、13年度は26億9600万円だった。
 宮城会長は「移設を意識した増額だろうが、賃料の低かった土地が他と同等に扱われる程度だ」と話している。シュワブの賃料は隣接するキャンプ・ハンセンと比べても低いとして「今後も増額を求める」と述べた。
 また移設を容認する条件として軍用地料増額などを求めている辺野古区の嘉陽宗克区長は「移設に向けた地元配慮だと解釈している」と語った。