高江路側帯に鉄柵 防衛省、反対住民排除で調整


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 米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江のヘリパッド建設工事をめぐり、防衛省が建設に反対して座り込み行動をする住民らを排除するため、工事車両の出入り口となる県道70号沿いの路側帯に鉄柵を設置する方向で調整していることが分かった。

 現在は日米共同使用となっている路側帯を今月中に米軍専用区域に変更し、テントや車両の撤去を求める一方、住民がゲート前に座り込まないよう、鉄柵などを設置する方向で警備を担当する県警と調整している。立ち退きの要請に従わない場合は裁判所に仮処分を申し立て損害賠償を請求することも検討している。
 北部訓練場内を通る県道70号と路側帯部分は米軍提供区域になっているが、米軍活動に支障がないとして1990年に米軍専用から共同使用に変更された。防衛省は今回、新たな建設予定地区「N1」2カ所の工事を開始するに当たり、米軍や土地所有者の林野庁と調整し、専用区域に戻す手続きを昨年から進めてきた。
 林野庁は月内にも県道70号と路側帯を管理する県に対し、米軍専用区域に戻すことを通知する。
 N1地区は高江集落に近く、住民らが路側帯に車を止め、テントを張って工事車両の通行を止めている。路側帯は幅2~3メートル、長さ数十メートル。防衛省は住民らが路側帯で座り込むのは「違法な占有」に当たるとして立ち退きを求める方針。同時に鉄柵を設置して路側帯に進入できないようにする方向で調整している。
 N1地区は昨年7月1日に工事を始める予定だったが、住民の反対などで作業に着手できなかった。