佐藤栄作氏、米圧力で演説修正 65年の沖縄訪問時


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1965年8月、ワトソン米琉球列島高等弁務官(左)の出迎えを受けて那覇空港に着いた佐藤首相

 1965年8月に当時の佐藤栄作首相が米国統治下の沖縄訪問時に行った演説に関し、基地の意義を強調するよう求める米側の圧力で内容を修正していたことが、15日公開の外交文書で明らかになった。冷戦下を念頭に「極東の平和と安定のために沖縄が果たしている役割は極めて重要」との一節を加え、実際に読み上げた。基地存続を前提とする文言で、米軍普天間飛行場を含む沖縄の過重負担問題に影響を及ぼしたと分析できる。
 佐藤氏が沖縄訪問時に、米側現地トップのワトソン琉球列島高等弁務官との会談で「返還は日米安全保障条約の下に実施したい」と伝えていたことも判明した。
(共同通信)