建設労災174人 2014年県内、前年比2割増


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労働災害による休業4日以上の死傷者数

 県内建設業の労働災害による2014年の死傷者が174人(12月末現在の速報値)と13年から2割(30人)増え、過去15年間で最多となったことが分かった。死亡者は4人で、前年の2人を上回った。事態の深刻化を受け、沖縄労働局などの関係機関は建設業の労災防止へ向けた会議を20日に発足させる。

 昨年の死亡事例では、電気通信工事業の50代男性が、高所作業車を格納中に頭部を挟まれ死亡した事故などがあった。建設業の60代男性が側溝工事に使うベニヤ板を携帯用の丸のこ盤で切断していた際、丸のこで右太ももを切ってしまった例もあった。
 沖縄労働局は「建設業では公共工事が減少した時期の影響から、現在の公共工事増に伴う人材育成が追い付いておらず、高齢化や専門職の人手不足も進んでいる」(夏井智毅健康安全課長)と労災事故増加の背景を分析。会議には県や沖縄総合事務局、建設業労働災害防止協会県支部ほか業界団体などが加わり、年内の予定で「建設業ゼロ災運動」を展開する。業界の人手不足の現状を踏まえ、沖縄労働局は経験1年未満の若手職人らの安全対策などを喚起していく方針だ。