西原、男女V KBC杯高校バレー


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
男女でペア優勝を果たした西原の選手たち

 バレーボールのKBC学園杯第63回全沖縄高校冬季選手権最終日は19日、名護市の21世紀の森体育館で行われ、男女ともに西原が栄冠を手にした。男子は2年ぶり23度目、女子は2年ぶり5度目。男女のベスト4以上に進出したチームは2月に佐賀県で行われる九州大会の出場権を得た。

◆女子/勝敗分けた精神力
 力の差はゼロに等しかった。女子決勝リーグの最終戦。全勝で迎えた西原と那覇の戦い。第1セットを西原が取ると、第2セットは那覇が取り返した。第3セットは両者が点を奪い合う互角の戦い。「勝ちたい気持ちが強い方が最後に勝つ」。西原の川田学監督は精神力が勝負の行方を左右すると感じていた。
 西原にとって那覇は春高バレーの全国大会出場を阻まれた相手だった。今月の全国大会をテレビで見た吉浜絢子主将は「すごく悔しくて来年は絶対に全国に行こうと思った」。県内大会では那覇に勝利し続けることを誓い、今大会でも気持ちをぶつけた。
 長濱和がレフトから得点を重ねた第1セットは後半にかけて得点を伸ばして先取した。しかし第2セットでミスが続き、連続失点をするなど主導権を握れなかった。「一人一人に焦りがある」と感じた吉浜主将は「冷静になってミスをなくそう」と呼び掛けた。
 第3セットはリードしながらも引き離せなかったが、吉浜主将は「気持ちで負けないで」とチームを鼓舞。長濱やエースの我那覇夏美が終盤に存在感を発揮して勝利を呼び込んだ。吉浜主将は「終わった瞬間は涙が止まらなかった」と喜ぶ。九州大会の目標は「まずは初戦に勝つこと」。そして「全力をぶつけていろいろ学んできたい」と意欲を燃やした。(平安太一)

◆男子/境はねのけ自信
 男子の西原は苦しいチーム状況をはねのけて頂点に立った。体調を崩してコートに立てない選手が多く、全日本高校選手権を終えて日も浅かったため、奥住竜馬監督は「ほとんどチーム練習はできなかった」と言う。それでも決勝リーグを全勝で制し、仲本賢優主将は「自信になった」と振り返った。
 全勝同士の対決となった名護戦は第1セットを先取し、第2セットも優位に進めた。しかし一時は相手のペースに押され、仲本は「単純なミスが続いて流れを持っていかれた」と反省する。苦しみながらも金城夢己の得点などで突き放して勝利を手にした。
 仲本は「もっと安定したチームにならなければ」と九州大会に向けた課題を挙げる。金城も「小さなミスをなくしたい」と気持ちを引き締め、「九州大会で目指しているのは優勝だ」と決意を述べた。