大湾、フライ級優勝 ボクシング九州高校新人


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フライ級決勝 3回、右ストレートで攻め込む大湾硫斗(右)=25日、県立武道館

 ボクシングの第46回全九州高校新人大会は最終日の25日、県立武道館で各階級決勝を行った。全国選抜出場枠2のフライ級では、出場権を獲得している大湾硫斗(美来工科)が井上彪(宮崎・日章学園)に判定勝ちし、頂点に立った。

ウエルター級の本村隆太郎(浦添)は内田大成(東海大付熊本星翔)に判定で敗れ準優勝となり、全国選抜出場権は逃した。

◆圧力屈せず有効打
 井上彪(宮崎)の突進を見極め、大湾硫斗のパンチが顔面を捉える。前へ前へと圧力をかける井上に押し込まれ、大湾はロープを背負う場面もあった。白熱した攻防のフライ級決勝は判定にもつれこんだ。
 ゴングが鳴った瞬間は「どっちが勝ったか分からない」と不安もあったが、勝者を告げるアナウンスとともに上がったのは大湾の右腕だった。
 昨年11月の県高校新人を制した後、今大会に照準を合わせるため12月の県大会を欠場して臨んだ。万全の準備をしてきたが、決勝は「圧力が強かった」という井上との打ち合いになり、スタミナを消耗した。苦しいながらも「手数は負けているけれどヒットしたパンチは上回った」と振り返るように、冷静な試合運びが勝利をもたらした。
 前日の準決勝で全国選抜出場を決めていたが「2位では行きたくない。絶対1位で行きたい」という強い気持ちもあった。
 終盤のスタミナ切れなど反省点も多く残った試合に大湾は「良かったところはない」と言い切る。九州王者として臨む全国では「手数を増やし、一つずついい試合をして勝ち進む」と話し、勝利への強いこだわりを見せた。(金城潤)