福里(宮古)新垣(豊見城)が大会新 高校重量挙げ


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大会新となるジャーク90キロを挙げる福里悠(宮古)=25日、豊見城高校体育館

 重量挙げの第38回琉球新報旗争奪高校選手権大会(主催・県ウエイトリフティング協会、琉球新報社)が25日、豊見城高校体育館で行われた。女子63キロ級の福里悠(宮古)はスナッチ70キロ、ジャーク90キロ、トータル160キロ、同58キロ級の新垣愛恵(豊見城)はスナッチ70キロ、ジャーク82キロ、トータル152キロでいずれも大会記録を更新した。

同53キロ級の名嘉山杉野も大会新となるスナッチ65キロを挙げた。男子77キロ級は69キロ級日本高校記録保持者の宮本昌典(沖縄工)が優勝した。団体男子は沖縄工業A、Bが1位、2位となり、同女子は宮古が1位、1ポイント差の2位に豊見城が入った。

◆東京五輪へ飛躍誓う/福里
 選手名のアナウンスが響く。落ち着いて呼吸を整え、福里悠(宮古)は笑みを浮かべながらジャーク90キロを挙げた。スナッチ70キロとともに大会新を打ち出した。けがをした肩を気遣いながらの出場で、自己ベストのスナッチ83キロ、ジャーク98キロには及ばないものの「次につながる大会新が出せた」と喜んだ。
 9月に痛めた肩は12月の東京でのエリート合宿で「同じ箇所をけっこうやってしまった」。万全でない大会で特に気にしたのが時間の使い方だ。渡慶次晃監督から「しっかり自分の時間をつくれ」と言われ、通常の大会より短い30秒間を「たっぷり」落ち着いて使った。
 重量挙げとの出合いは「風貌と目つきから勝ち気な感じを受けた」という渡慶次監督のスカウトだった。1年生で出場した県総体で豊見城の選手に敗れたことで持ち前の負けん気に火が付いた。朝練を始め、記録もぐんぐん伸びた。
 全国の強者と競い合って成長し、昨年7月の全国高校女子選手権では念願の全国一にもなった。
 卒業後は、東京国際大に進む。同大の重量挙げは創部したばかりだが、ロンドン五輪銀メダルの三宅宏実の兄がヘッドコーチ、おじが総監督で、三宅ファミリーから全面的な支援を受ける。恵まれた環境の中、目標の東京五輪に向けて「大学でしっかりやっていきたい」と飛躍を誓った。
 (関戸塩)