北農定時駅伝部、新人大会に初出場


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初出場となる県高校新人大会に意欲を示す北部農林高校定時制男子駅伝部のメンバーら=28日、名護市の同校

 【名護】底冷えのする午後10時すぎ、わずかなライトに照らされるグラウンドから「はっ、はっ」と選手の息づかいが響く。北部農林高校定時制男子駅伝部。2月6日、今帰仁村で開催される県高校新人駅伝大会(5区間、21・0975キロ)に初出場する。

1960年には県代表として「都大路」も経験した古豪が昨年復活した。今回はたすきをつなぎ切ることが目標だ。生徒はもちろん、OBを含め学校関係者に「やる気」「元気」を届けるため、やんばる路を駆ける。
 昨年6月、県内の定時制通信制夏季大会の陸上競技で、男子が24年ぶり9度目の優勝を果たした。指導に当たった澤岻盛也教諭は「鍛えればもっと伸びる」と確信。自身も同校全日制駅伝部出身で思い入れは強く、周囲の期待もあったことから1963年の3位を最後に出場していなかった県大会に向け、定時制駅伝部を正式に復活させた。
 昨年10月の県大会では20位で記録が残ったチームの中では最下位だった。しかし42・195キロを7区間の選手全員がリタイアせず完走した。「いきなりフルマラソンの距離は無謀な挑戦かと思ったが、よく完走した」と話す澤岻監督。指導する体育教諭の与志平昂さんも「他の生徒の見本となるような成果を残してくれた」と話す。3年の高良祐哉主将(18)は「練習不足の反省もあったが、達成感は大きかった」と振り返る。
 日々の練習時間は授業が終了した午後9時半~11時まで。選手らは「全日制に比べれば練習量、実力も劣る」と話すが、少しの休憩を挟み、1000メートル走を何本も繰り返し、徐々にタイムを伸ばす。
 昨年10月の大会では2区以降、繰り上げスタートとなり、完走はしたもののたすきをつなげなかった。「今度こそ、全員の手でつなぎ切りたい」。練習に臨む選手らの目は真剣だ。卒業生らでつくる同校後援会がユニホームやシューズを提供するなど選手らを支援する。地域の期待も胸に大会に挑む。(外間崇)