沖縄県予算案 振興、社会保障に重点 カジノ関連は削除


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沖縄県来年度予算案(クリックで拡大)

 沖縄県は9日の庁議で、2015年度の一般会計当初予算案を前年度比226億円(3・1%)増の総額7465億円とすることを決めた。増額は7年連続で、過去最高額を4年連続で更新した。

政府の沖縄振興予算案は減ったが、消費税増税や景気回復による県税収入増などで総額が増えた。翁長雄志知事が公約する米軍普天間飛行場の県内移設阻止に向け、米ワシントン駐在員設置経費や知事訪米費を計上した。「アジア経済戦略構想」の策定調査費などを盛り込んだ一方、前県政で検討してきたカジノ関連費は削除した。産業振興や観光、社会保障の各分野などに予算を重点的に配分した。
 産業振興では首都圏と沖縄、アジアを結ぶ国際海底ケーブルの使用権購入費で66億円、クラウド拠点施設整備関連で21億5千万円、国際物流関連の産業集積調査費に1億3千万円、企業の海外展開支援費で5300万円を計上した。
 外国人観光客の再来訪増加のための経費には2億5300万円、琉球王国文化のブランド化や文化観光力向上へ、文化財復元などの経費には4100万円を新規で計上した。大規模会議や催しが開催できる大型MICE(マイス)施設の調査費は前年度約3倍の9千万円に増やした。
 社会保障関連では子ども医療費助成費を12億8千万円に増額し、通院の支援対象を3歳から就学前までに拡大する。待機児童解消関連経費は79億4千万円を計上。北部、離島の医師確保の新規2事業には1億9200万円を充てる。
 翁長知事の公約の目玉であるアジア経済戦略構想の策定調査費に5千万円、ワシントン駐在員設置関連経費は8千万円、知事訪米経費は1千万円を計上した。
 沖縄都市モノレールの延長整備費は前年並みの125億円、鉄軌道導入の調査費は6千万円増の1億8千万円を計上。新県立図書館の整備費22億7千万円、重粒子線治療施設導入の検討費に5千万円を付けた。