テニス県中学新人 松城、男子団体初V 女子は沖縄東連覇


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女子団体決勝 ダブルハンドで力強いショットを放つ沖縄東の植村美海=14日、うるま市具志川庭球場

 テニスの第14回県中学校新人大会は14日、北谷公園庭球場などで開幕し、団体戦の決勝までとダブルスの1、2回戦を行った。男子団体は松城が3―1で具志川を下して初優勝した。女子団体は沖縄東が3―2で潮平を破り、2連覇を達成した。

男子3位の沖尚、興南、女子3位の松城、琉大付も含めた男女の上位4校は第13回九州中学生新人大会(鹿児島県、3月26、27日)に派遣される。

◆1年植村、重圧はねのけ 沖縄東に地力
 「やっとプレッシャーから解放される」。相手のショットがオーバーで外れ、優勝が決まると、沖縄東の植村美海は安堵(あんど)の表情を浮かべ、脱力した。女子団体決勝最終戦の第3シングルスで、1年生には大き過ぎる重圧から自分を見失いかけたが、体に染みついた基本プレーを繰り返し、相手のミスで2連覇をつかみ取った。
 決勝戦に向かう沖縄東は準決勝のヤマ場を越えて緊張感を欠く面があった。地区予選で敗れた琉大付を接戦の末に破り、リベンジの充実感で喜びを爆発させた。危機感を覚えた植村義宣監督は「決勝がまだある」と選手をなだめた。
 決勝の相手、潮平は実力上位の4人、大城三奈、上原夕奈、大城萌華、大城向日葵を全てダブルスに入れ、必ず取る作戦に出た。沖縄東は第1シングルスの仲宗根雅、第2の新城亜実がともに6―1で早々と勝利を収めた。だが、ダブルスは粘りを見せたものの、2試合とも潮平に屈した。
 ダブルスの連敗で植村は動揺した。力強いストロークで5―0とリードしていたが、サーブはネットにかかり、ミスショットが続いた。天を仰ぎ「訳が分からない」とつぶやき、気が付くと2ゲームを落としていた。父親でもある監督のげきを受け、何とか乗り切った。
 沖縄東は九州大会で昨年の8強以上を目指す。次はダブルスに回る植村は「ボレーを頑張る」と意気込んだ。(関戸塩)

◆初戦勝ち勢い協力し成長 男子・松城、九州へ弾み
 初優勝した松城の榮野川彩子監督は「チームワークの勝利だ」と協力しながら力を高めた選手たちを手放しで褒めた。初戦の桑江戦を接戦で制すと準決勝の沖尚、決勝の具志川は堂々とした戦いで勝利した。
 これまで優勝に縁がなかった松城だが、昨年夏の那覇地区4強入りから自信を付けた。比嘉淳コーチが細かい部分まで気を配る指導を重ね、選手たちもそれに応えて、チームにまとまりも生まれた。
 1年生で第3シングルスを任された知念泰我はサーブをコースに打ち分けてポイントを重ねた。頼りになる主将の崎原光は負けている状況でも常に冷静に勝負し、精神的支柱となった。榮野川監督は「ダブルスを強化して、九州でも優勝を狙いたい」と語った。