銘苅淳のハンドボール魂 fromハンガリー(12)


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日々の積み重ねが試合でのプレーにつながる

<練習の質>「いい習慣」育む意識
 沖縄は天気のいい日ならそろそろ海に入れるようなころでしょうか。こちらハンガリーは雪が降り、まだまだ寒い冬が続いています。

 さて、皆さんはどんな練習が「いい練習」だと思いますか? 「今日の練習もきつかったなぁー」という疲労感や、やり切った達成感は運動量の確保という観点から大事です。が、「気付き発見欲求」が発生する練習ができるとよりいいと思います。つまりトレーニングに取り組む中で「こうやればうまくいきそうだ」「次はこうしてみたい」と気付きや発見、欲求が生まれる練習をするということです。何かに挑戦し、できるようになる。そして新たに挑戦したくなる。これができれば、練習に対するモチベーションが上がります。自分の中でテーマや目標を持って取り組むことで同じ練習でも違って感じられ、僕の言う「気付き発見欲求」が得られると思います。
 そしてもう一つ。「いい練習」とは「いい習慣を育む時間」だということです。習慣とは無意識の中での行動です。「いい練習」をしていれば、試合の中でも自然にいいプレーという結果につながります。最初は意識して取り組んでいたことが、いつの間にか意識せずできるようになると「習慣」です。習慣化するのは難しいことで、1度トライしただけではできるようになりません。練習で何度も反復することで技術や戦術を身に付けるのです。
 この話はスポーツに限ったことではありません。自分が気付かないところ、あるいは切羽詰まった時には、普段の癖が出てしまうものです。あいさつができる、食事のマナーがいい、立ち居振る舞いが素晴らしい…など。普段からしっかりと育まれている習慣なのです。強い選手や魅力的な人は必ず「いい習慣」を備えているものです。例えば家庭でのしつけや学校で先生から注意を受けること、これも「いい習慣」を育む時間やチャンスだと思います。コートの内外で自分を高める時間を過ごしたいものです。
 (隔週火曜掲載。次回は3月3日)
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