高江着陸帯、先行提供を閣議決定 2カ所、本格運用へ


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 政府は17日、米軍北部訓練場の一部返還に伴うヘリコプター着陸帯移設計画のうち、高江集落に最も近いN4地区の着陸帯2カ所について、米側に提供することを閣議決定した。防衛省によると、同日から効力が発生しており、近く訓練が本格的に始まる見通し。返還前の先行提供で負担が増える住民からは反発する声が上がっている。

 着陸帯はN4-1が2013年2月、N4-2が14年7月に完成。1月30日の日米合同委員会で先行提供が決まった。今月初旬には閣議決定の手続きを経ないまま、武装した米兵が敷地内でテントを張り、野営訓練をしているとみられる様子が確認されていた。
 防衛省は当初、着陸帯全6カ所の完成後、米に提供する方針だったが、住民の反対運動などで建設が遅れているため、2カ所の先行提供を決めたとみられる。
 N4から約400メートル離れた場所に住むヘリパッドいらない住民の会の安次嶺現達さん(56)は「返還もなく、先に使わせるのはおかしい」と不安げに語った。
 日々座り込みに参加するヘリパッド建設に反対する現地行動連絡会の間島孝彦さん(61)は16日に沖縄防衛局を訪れ、米軍にN4地区を使用させないよう要請した。翌日の閣議決定に「ふざけるなという思いだ。できるだけ飛ばせないように抵抗手段を考えたい」と思いを新たにした。