【アメリカ】HPで国際人育成アピール 那覇市出身・賀数章子さん


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 ワシントンD・C・エリア在住の賀数章子さん(43)=那覇市出身=は昨年、「沖縄レキオチャンプルー村プロジェクト」のホームページを立ち上げ、沖縄の活性化につなげ、国際化にふさわしい人材育成を展開する構想のアピールと実現のために現在、活動している。
 ホームページの冒頭には「東アジアのゲートである沖縄に、中南米やカリブ文化と沖縄を軸にしたアジア太平洋文化のカルチャーエリアを建設しよう」と記載。チャンプルー村では、アジア太平洋とラテンアメリカの文化・経済交流の懸け橋になりながら沖縄経済の活性化につなげることや、マルチカルチャー(多文化)、マルチリンガル(多言語使用者)の国際化にふさわしい人材を育てることなどを目指している。具体的なプロジェクトにカリブ・南米の音楽や踊りなどの芸能が楽しめ学べる空間づくりと、異文化体験コースをはじめ語学習得プログラム、ラテン風ウエディング、亜熱帯エコーツーリズムなどを挙げている。
 賀数さんが、ラテンの国々にかかわるようになったのは、ラテン系の友人がいたこととラテンの音楽に魅せられたのがきっかけ。今、日本で働き生活する日系南米人は、約30万人。沖縄系が多くを占めるが、県外の企業で就職しているため、ルーツがある沖縄とのつながりが希薄になっているという。
 賀数さんは「日系ラティーノが活躍できる場を沖縄にもつくり、地元と一緒になって、沖縄、カリブ、南米好きな人たちが交わる場をつくりたい。ラテン文化の発信だけではなく、沖縄・アジアとの融合文化を盛り上げていってほしい」と言葉に力を込める。
 現在、賀数さんはキューバ沖縄移民100年祭を10月に実現しようと、昨年の第4回世界のウチナーンチュ大会でキューバの県人会長に会い、キューバを訪問した沖縄県系人をカリフォリニアに訪ね、聞き取り調査をするなど東奔西走している。
 カリブ海に浮かぶ島、キューバは独立戦争、アメリカの保護領、ゲリラ軍の革命後の社会主義国家誕生、キューバ危機などの激動の歴史を経てきた。沖縄県系人が移民したのは1907年。今年は100周年に当たる。「時代に翻弄(ほんろう)されながらたくましく生きてきたキューバの沖縄県系人の人たちのために100年祭を成功させたい」と語る。
 賀数さんはワシントンD・C・沖縄会にもキューバ事情を知ってほしいと自宅でビデオ映写会を行ったりと、100年祭への参加を呼び掛けている。
(鈴木多美子通信員)