健康生活 子どもから 県、長寿復活へ副読本作成


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2015年度から配布される小中学生を対象にした健康づくりの副読本

 県は健康長寿復活への取り組みの一環として、次世代の健康づくりのためにイラストを豊富に使った小中学生用の副読本を作成した。2015年度から県内の全小中学生に配布される。

県内の20~64歳の死亡率が高く、特に20歳から肥満率が上昇する傾向があるため、子どものころから健康的な食事や生活習慣を身に付けさせるのが狙いだ。食育編と生活習慣編、心の健康編の3冊が作成された。
 一括交付金を財源に約6600万円で作成した。編集は県医師会に委託した。食育編の「くわっち~さびら」は小学校1~6年、生活習慣編の「ちゃ~がんじゅ~」は小学校高学年、心の健康編「こころのタネ」は中学生が対象。特別活動や保健などの授業での活用を想定しており、教員用テキストも作成した。
 県内の体格指数(BMI)25以上の肥満者の割合は20代男性で全国の21・2%に比べて34%に上るなど、各年代で男女とも全国を大幅に上回っている。食育編・生活習慣編はそれぞれ肥満に焦点を当てて健康長寿が崩壊している現状を説明。
 食育編には朝食の重要性や食生活の変化、島野菜のレシピなどを掲載しているほか、生活習慣編では運動や睡眠の重要性、たばこや多量飲酒の害などを説明している。心の健康編ではストレス反応やストレスとの付き合い方などを書き込みながら学ぶことができる。
 県健康長寿課の糸数公課長は「県内のデータで県内の医者らが作成した『県産品』。子どもたちに健康的な生活習慣を身に付けてもらうためにも、学校でも活用してほしい」と話した。