浦添市長、那覇軍港移設容認へ 位置変更を要求


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那覇港ふ頭地区土地利用の浦添市案

 【浦添】浦添市の松本哲治市長が米軍那覇軍港の浦添移設を認めた上で、移設位置を那覇港浦添ふ頭南側に変更するよう政府などに求める方向で検討していることが23日までに分かった。

現行の移設予定地では埋め立て地開発の障害になると判断した。一方で移設自体には反対しない立場を取ることで関係機関の合意を取り付けたい考えだ。
 那覇港管理者の翁長雄志知事、城間幹子那覇市長との間で日米特別行動委員会(SACO)合意に基づく那覇軍港返還の作業加速が確認できれば、移設受け入れを表明する方向だ。
 だが松本市長は軍港移設反対を公約しており、受け入れへの批判は必至だ。移設計画の変更要求に対する日米両政府の対応も極めて不透明で、松本市政は難しい局面を迎える。
 浦添市は23日、浦添ふ頭地区の埋め立て整備計画見直し案を市議会に説明した。米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の返還を見据え、国際的な観光リゾート地形成を目指し、現行の軍港移設予定地と対面する形で人工ビーチやマリーナ、大型クルーズ船バースを整備するとしている。
 市案の実現には軍港移設場所の見直しが避けられない。市は政府と県、那覇市と構成する「那覇港湾施設移設に関する協議会」で正式に提案する方針だ。
 ただ松本市長は「軍港移設に基本的に反対という公約は変えていない」と発言しているため、市案は「代替施設と切り離して作成した」として移設計画を曖昧にする形でまとめた。