コラソン、POお預け 大同特殊に20―25


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 日本ハンドボールリーグ(JHL)4位の琉球コラソンは28日、県立武道館で3位の大同特殊鋼と今季ホーム最終戦を行い、20―25で敗れた。同日、湧永製薬が豊田合成に勝利した結果、コラソン、湧永、トヨタ自動車東日本の3チームが6勝1分け8敗の勝ち点13で並んだ。

3チームの対戦間の得失点差により、順位はコラソン4位、湧永5位、トヨタ東日本6位で、プレーオフ進出の残り1枠をめぐる争いは最終戦に持ち越しとなった。地元最終戦の観客数は3150人でコラソンの試合で過去最多記録だった。コラソンは3月7日、愛知県TGアリーナで7位の豊田合成と最終戦を戦う。

大同特殊鋼(10勝1分け5敗)
 25―20(11―11,14―9)
琉球コラソン(6勝1分け8敗)

 【評】琉球コラソンは後半、攻撃でペースをつかめなかった。前半は両GKの好セーブもあり、互いに波に乗りきれないまま同点。後半はコラソンの一線守備に相手が対応し、右サイドや速攻で得点を重ねた。コラソンは全体的にシュート数が少なく、GKと1対1になるようなノーマークシュートを要所で外したのも痛かった。(大城周子)

◆攻め手欠き 流れ乗れず
 勝てばプレーオフ(PO)進出がぐっと近づく大一番。琉球コラソンのメンバーは眼光鋭く強豪に立ち向かい、会場を揺らす大歓声も後押しした。だが、結果は5点差をつけられての敗戦。PO争いは得失点差で優位に立っているとはいえ、消化不良の内容に選手たちは苦い表情だった。
 堅守速攻のスタイルが得意なチーム同士、序盤から激しい走り合いとなった。前半はエース棚原良やポストの松信亮平が強引にねじ込んで一時4点のリードを奪ったが、ミスでボールを失うターンオーバーで速攻を許し同点。後半は棚原へのマークが厳しくなり、攻め手を欠いた。トップに1人を置く相手守備をこじ開けられず、ゴールに向かう縦の動きが少なくなった。一方で相手は後半10分すぎから速攻で5連続得点し、好機を逃さなかった。
 「攻撃のまずさが敗因。これだけ集まったファミリア(ファン)の前でチームワークを出せなかったのは本当に恥ずかしい」と攻守の柱、東長濱秀作はいら立ちを隠さない。
 POへの切符は残り1枚。コラソンは最終戦に勝てばほぼ確定といっていい。しかも格下が相手だ。棚原は「自分たちのプレーをするだけ。次の(試合の)60分間はみんな倒れるまで走り、全力で戦う」。球団史上初のPOをすっきり決めたい。
(大城周子)

◆守り負けたかな
 東長濱秀吉監督の話 守り負けたかなという感じ。攻撃が単調になった部分があり、ノーマーク(のシュート)をもう少し決めていれば流れに乗れたのかなとも思う。20点しか取れなかったのが敗因。最終戦はしっかり勝ってプレーオフに行きたい。

◆プレーオフ進出の行方 コラソン、勝ちが条件
 リーグ上位4チームが進むプレーオフ(PO)。琉球コラソンは、残り1枠を湧永製薬、トヨタ自動車東日本と争い、いずれも勝ち点13で並んでいる。同勝ち点の場合、順位は当該チーム間の対戦成績、得失点差の順で決める。今回は3チーム間の対戦が2勝2敗ずつのため、得失点差でコラソンが最上位に付ける。
 コラソンが最終戦でPO進出を決める条件は(1)3チームとも勝ち(2)コラソンが勝ち、湧永とトヨタ東日本が引き分けか負け(3)3チームとも引き分け(4)コラソンが引き分け、湧永とトヨタ東日本が負け(5)3チームとも負け―。
 ただし、トヨタ東日本は最下位の北陸電力との対戦で勝利は堅く、コラソンも勝利が絶対条件となる。コラソン、トヨタ東日本は7日、湧永は8日に最終戦を行う。

琉球コラソン―大同特殊鋼 後半、右サイドから果敢にシュートを狙うコラソンの名嘉真吾=28日、県立武道館(仲本文子撮影)
プレーオフ進出争いの行方