コリンザ債権26億放棄 県、早期再生を優先


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 県議会(喜納昌春議長)の2月定例会は9日、常任委員会の審議が始まった。経済労働委(上原章委員長)では、沖縄市の複合商業施設「コリンザ」の建設時に、県が運営会社「沖縄市アメニティプラン(AP)」に融資した貸付金の残額約31億5300万円について、特別清算に伴う弁済額約5億4500万円を差し引いた約26億800万円の債権を放棄する議案を全会一致で可決した。

 AP社の連帯保証人から6250万円の弁済を受ける調停成立のための議案も可決した。11日の本会議で可決される見通し。県の債権放棄額は弁済額合計を差し引いた25億4500万円となる。
 県はAP社が債務超過にあることから債権の全額回収は困難と判断。沖縄市が施設を買い取った上で市立図書館や雇用促進施設として再整備する計画を進めていることもあり、早期再生の観点から放棄を決めた。
 県は1996~98年に「コリンザ」の建設費として、中小企業基盤整備機構が3分の2を負担する中小企業高度化資金約32億円を融資。しかしAP社は経営悪化で返済が滞り、2010年に解散、特別清算の手続きを進めていた。
 AP社側との29回の調停を経て、6250万円を県に支払うことで連帯保証人が同意した。県議会議決を経て3月の調停で正式に合意する。
 中小機構に対する県の未償還額は約21億2800万円。弁済額の約3分の2を中小機構に償還する。残りの債務約17億1800万円は規定により免除される見通しであることから、県の実質損害額は債権放棄額から免除額を差し引いた約8億2700万円となる。