「グアム移転は辺野古後」 米海兵隊司令官が主張


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 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米海兵隊のダンフォード司令官は10日の上院軍事委員会で証言し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画の進展について、県や名護市などの反対を念頭に懸念を示した。

一方、在沖海兵隊のグアム移転計画については、辺野古移設の完了後になると述べ、普天間問題とグアム移転を切り離すとした2012年の日米合意とは異なる認識を示した。
 公聴会では共和党のサリバン氏が在沖海兵隊の再編計画に関し「何年もの間、一貫して懸念が存在している」と辺野古移設への地元の反対について指摘。ダンフォード氏は「普天間移設の進捗(しんちょく)は明らかに懸念の一つだ」と応じ、先行きに慎重姿勢を示した。
 ただその上で「ようやくコンクリートを流し込む段階に来た。過去数年に比べ、状況は良くなった」と述べ、計画は前進しているとの認識を強調して議会側の支持を求めた。
 在沖海兵隊4千人のグアム移転計画に関し、ダンフォード氏は「16年会計年度予算から稼働する」とその起点について明言。「普天間飛行場の代替施設が完成すれば現在の普天間を去り、またグアムにも再配備できる」と述べた。
 ただ国防総省高官は昨年12月、普天間移設とグアム移転は12年の日米合意に基づき、切り離して進めると説明しており、ダンフォード氏の発言は日米両政府の見解と齟齬(そご)がある。
 グアム移転についてはロックリア太平洋軍司令官(当時)が昨年1月に「普天間の代替施設完成後」と述べたが2カ月後の下院公聴会で「シュワブの施設とは直接関係しない」と発言を修正している。