外務省に立ち入り申請 辺野古のサンゴ損傷で翁長知事


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記者の質問に答える翁長雄志知事=20日午前、県庁

 翁長雄志知事は20日の記者会見で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画に関し、沖縄防衛局が海底に設置したコンクリートブロックがサンゴを傷つけている問題について、潜水調査のための臨時制限区域への立ち入りを米軍が拒否したことに対し「運用上の問題があるとは到底理解し難い。調査さえできないことは不合理極まりない」と強く批判した。その上で外務省地位協定室に対し、立ち入り許可について米側と調整するよう申し入れたことを明らかにした。

 県は2月下旬に行った制限区域外からの調査の結果、サンゴの破壊を1カ所確認している。翁長知事は「(許可区域外での)岩礁破砕そのものであるという印象を受けている」と述べ、防衛局に対する岩礁破砕許可の取り消し要件となる可能性をあらためて指摘した。
 取り消しの判断については「調査を申し入れているので、それについての対応を含めて一つ一つ検証したい」と述べた。
 県は辺野古沖でのサンゴ損傷に関する潜水調査を行うため、臨時制限区域内への立ち入りを求めたが、米軍は「運用の妨げになる」として拒否している。
 翁長知事は再申請に対する政府や米軍の対応について「誠意ある対応が求められるが、そうならなければ一つの判断材料になるのかなと感じもする」と述べ、岩礁破砕許可の取り消しの判断材料の一つになり得るとの考えを示した。
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