国連報告者に来沖要請 島ぐるみ会議、カンボジアで面談


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国連の人権問題に関する特別報告者のビクトリア・コープス氏(左)に沖縄の現状を説明する島袋純琉球大教授=16日、カンボジア(島ぐるみ会議提供)

 政財界や労働・市民団体の有志、有識者らでつくる「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」で国連部会長を務める島袋純琉球大教授が20日、県庁で会見し、国連の人権問題に関する特別報告者のビクトリア・コープス氏(フィリピン)とカンボジアで面談し、政府が米軍普天間飛行場の辺野古移設を強行している沖縄を訪問するよう要請したと報告した。

 同会議は7月ごろまでに沖縄大と共催予定の学術シンポジウムにコープス氏を招く方向で調整を進め、実現した場合は辺野古視察などを検討する。
 コープス氏の沖縄招聘(しょうへい)を実現することで、同氏に9月にスイスのジュネーブで開かれる国連人権理事会で辺野古の状況を報告してもらい、国際世論に広く訴えかけたい考え。島袋氏は面談の際に、辺野古移設に抗議する市民らへの海上保安庁や県警の警備の状況にも触れ「報道の自由、表現の自由など人権が侵害されている」と説明したという。
 コープス氏は「ひどい状況だ。日本は民主主義の国ではなかったのか」などと話し、沖縄の状況を気に掛けていたという。島袋氏は「(来沖に)前向きに感じた」と、招聘の実現に向け手応えを語った。
 島ぐるみ会議は、国連人権理事会で報告される見通しが立てば、翁長雄志知事に出席してもらい、国際社会に沖縄の現状を直接訴えることも模索するという。