宮里、延長制し初V ハンド九州中学選抜


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浦西―宮里 延長前半2分、相手をリードする26点目のシュートを決める宮里の新垣大貴主将=22日、八重瀬町東風平運動公園体育館

 ハンドボールの第27回九州中学生選抜大会最終日は22日、八重瀬町東風平運動公園体育館で男女の決勝まで行い、県勢対決となった男子決勝は宮里が延長の末、30―28で浦西を破り、初出場で初優勝した。

女子は浦添が決勝で玉名(熊本)に23―25で惜敗し、準優勝だった。男子の具志川と女子の神森は準決勝で敗れた。大会は各地区予選で2~4位だった男女各16チームが出場した。

◆残り9秒 新垣執念の同点弾
 試合時間残り9秒でタイムアウト。24―23で浦西が宮里に1点リードの展開という男子決勝は最大のヤマ場を迎えた。「お前がどこでもいいから打ってこい」。宮里の下地潤平監督は主将の新垣大貴に全てを託した。右手小指の靱帯(じんたい)を切り、前日は出場を見合わせた。「勝ちたい」。高ぶる気持ちでボールをつかむと、中央から相手選手2人の間を抜いて鋭い球がゴール右隅に突き刺さった。応援団と共に勝ったような盛り上がりを見せた。
 勢いに乗った宮里が勝利するかと思われた延長戦で試練が待っていた。フリースローが浦西選手の顔面に当たったため、新垣がレッドカードで退場となった。「出ている選手で頑張ろう」。下地監督の呼び掛けに後を任された田代淳樹も「大事な場面でしっかり決めることを練習でやってきた」と前向きに捉えた。27点の同点から國吉真之介が決めたが、すぐに追い付かれる。小橋川真史が勝ち越し、田代が残り33秒で追加点を決めて突き放した。
 退場のショックから涙を拭った新垣は「宮里はいい流れに乗ったら強い。これで満足しないで全国を目指す」と力強く語った。(関戸塩)