16強そろう 県春季高校野球第6日


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
北中城―那覇商 初回に中前へ先制打を放つ那覇商4番の大城彪叶=27日、宜野湾市立野球場(関戸塩撮影)

 第62県高校野球春季大会第6日は27日、2回戦の残り6試合を行い、ベスト16が出そろった。那覇商は三回まで着実に加点し、3―2で北中城との接戦を制した。興南は1―1で迎えた八回に打線が爆発し、8―1で読谷にコールド勝ちした。

小禄は6―2で沖縄水産に逆転勝ち。首里は終盤に得点した豊見城南を5―2で振り切った。沖縄尚学は嘉手納との乱打戦を12―8で制した。コザは7―3で名護に勝利した。大会第7日の28日は3回戦4試合が行われる。

◆那覇商、競り勝つ 機動力発揮 コツコツ加点
 2001年センバツ4強の宜野座で、主将として旋風を起こした安富勇人が那覇商監督としてグラウンドに帰ってきた。宜野座野球を彷彿(ほうふつ)させる「ワクワクする野球」をモットーに、選手たちは心底野球を楽しむ。選手の心をつかむスローガンを掲げ、那覇商野球から新風が吹いている。
 初回、ヒットで出た打者をバントで送り、4番大城彪叶が痛烈な中前打で先制。二回にはエラーで出た走者を二つの送りバントからの適時打で1点。3回は4番大城の送りバントを契機に加点した。
 特別大きな選手がいるわけではなく、校舎も改築中で十分な打撃練習ができていない。コツコツと点を重ねる展開に安富監督は「ちりも積もれば山となる打線」と試合中に命名し、選手たちに伝えた。大城は「自分たちに合っている」と理解し、機動力重視の野球に集中した。
 被安打1で完投した奥平丈士は2日前の沖縄工戦が公式戦初登板だった。多くの生徒の前でギターを披露することもある奥平に安富監督は「俺はお前のバラードでなくロックが聞きたい」と伝えた。弱気の投球から表舞台の機会を得られていなかった奥平の投球リズムはガラリと変わり、背番号12で新エースの座をつかんだ。次戦は沖尚。奥平は「次もワクワクする野球を見せますよ」と笑顔で意気込んだ。
(関戸塩)

<きのうの結果>
▽2回戦
那覇商 3―2 北中城
小禄 6―2 沖水
首里 5―2 豊見城南
興南 8―1 読谷
コザ 7―3 名護
沖尚 12―8 嘉手納

<きょうの試合>
▽3回戦
【セルスタ】9時
中部商―西原
豊見城―那覇西
【宜野湾市立】9時
前原―宮古
石川―美来工科