安保法制に疑問 NDシンポジウム 佐藤、柳沢氏登壇


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 【東京】新外交イニシアチブ(ND)主催のシンポジウム「安保関連法制を考える―集団的自衛権とこれからの外交・安全保障」が3日、衆院第一議員会館であった。猿田佐世ND事務局長を進行役に作家で元外務相主任分析官の佐藤優氏と、元内閣官房副長官の柳沢協二氏が登壇した。

 柳沢氏は安全保障法制の原則事項について、国会の関与や自衛隊員の安全確保が現実には不可能だと指摘した。「武器を使えば安全という発想が政府の間違いだ。地元と敵対関係になり、1発使えば100発返ってくる」と述べ「70年戦争をしていないメリットを日本は生かすべきだ」とした。
 佐藤氏は「外務省で第1次大戦時のドイツ人のようなことをいう人がいる。『必要は法律を知らない』。自衛隊が出て行く議論でどういう方向に行くかが怖い」と述べた。
 安全保障法制で政府が前提とする尖閣諸島の問題については「尖閣は琉球のものだ。中国も尖閣は台湾省のものと認めている。台湾と沖縄の地方政府レベルで実務協定をやれば共同利用ができるかもしれない。沖縄が外交権を回復すれば問題は解決する」と提案した。