菅氏と翁長知事が初会談  知事、首相との面談要請 官房長官「辺野古断念は普天間固定化」


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初めての会談に望む菅義偉官房長官(手前左)と翁長雄志知事=5日午前9時40分ごろ、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー

 菅義偉官房長官と翁長雄志知事の会談が5日午前、那覇市内のホテルで行われた。両氏の会談は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する翁長知事が昨年12月に就任後、初めてとなった。会談は冒頭部分のみが報道陣へ公開され、残りは非公開となった。冒頭の公開部分では、辺野古移設の是非をめぐり、互いの主張をぶつけ合った。

 冒頭で菅官房長官は「辺野古移設を断念することは普天間飛行場の固定化につながる」と述べ、辺野古移設を推進する考えを強調した。また垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練移転などの負担軽減策、ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)の沖縄進出にも触れ、沖縄振興に注力すると強調し、移設への理解を求めた。
 これに対して翁長知事は「(菅官房長官が言う)『粛々』という言葉が、かつての沖縄の自治は神話だと言った(米軍統治下の)キャラウェイ高等弁務官の言葉と重なる」と指摘した。その上で「辺野古に移設できなければ、世界一危険と言われる普天間飛行場が本当に固定化されるのかぜひ聞かせてほしい」と反論した。
 また翁長知事は「安倍総理との面談の手配をお願いしたい。辺野古の建設を中止し、しっかりと話し合って基地問題を解決していただきたい」と首相との面談も求めた。【琉球新報電子版】