辺野古「別の選択肢」示唆 元駐日米大使特別補佐官


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米軍普天間飛行場の移設問題について語るケント・カルダー氏=10日、米ワシントンの米ジョンズ・ホプキンス大高等国際問題研究大学院(SAIS)ライシャワー東アジア研究所

 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】駐日米大使特別補佐官として米軍普天間飛行場の移設問題に関わり、日本と東アジア情勢に詳しい米ジョンズ・ホプキンス大高等国際問題研究大学院(SAIS)ライシャワー東アジア研究所のケント・カルダー所長が28日の日米首脳会談を前に、本紙などのインタビューに応じた。

翁長雄志知事が普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対し「あらゆる手段」を行使すると表明していることについて「法的手段で止めようとするのは当然で、知事の権利だ。(移設をめぐる裁判が)最高裁判所までいく。その中で良心的に次の一歩が何なのかを考えるべきだ」と述べ、県と日本政府による協議の必要性を強調した。
 カルダー氏は弾力的な軍事力に関する立案について、中国の軍事力台頭を念頭に、日米同盟の信頼性や抑止力に影響がないよう「もっと大きなパッケージをつくるべきだ」と述べ、問題の長期化は日米関係に悪影響を及ぼすとした。
 辺野古移設以外の選択肢については、日米首脳会談で辺野古移設を再確認し、作業が進んでいることを理由に「いまの段階で別の道は見えにくい」としながらも「返還合意した19年前とは戦力状況が少し変わっている。もっと弾力的に軍事力に関する立案ができるはずだ」とも述べ、別の選択があることを示唆した。
 日米首脳会談については「普天間問題は大きくは取り上げないと思う。安全保障を再確認しながら、刺激的な問題よりも、日米の団結を見せるためのものになる」と述べ、普天間問題が会談の主要議題にならないとの認識を示した。