興南、延長敗れる 福工大城東に3―4 九州春季高校野球


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興南―福工大城東 18三振を奪う圧巻の投球を見せた興南の比屋根雅也=19日、佐賀県のみどりの森県営球場(平安太一撮影)

 高校野球の春季九州大会(第136回九州大会)第2日は19日、佐賀県のみどりの森県営球場などで2回戦が行われ、興南は福岡工大城東に3―4で惜敗し、8強入りを逃した。興南は初回に1点を先制し、二回に2点を追加して先手を取った。

しかし三回以降は相手投手に苦しめられて追加点を奪えなかった。先発の比屋根雅也は18奪三振の好投でチームを引っ張ったが、勝利に手が届かなかった。九州国際大付(福岡)―樟南(鹿児島)の2回戦が降雨ノーゲームとなり、20日に順延された。20日は2回戦の残り1試合のみが組まれ、大会日程(休養日を含む)は1日延びる。糸満の準々決勝は21日になった。決勝は24日に行われる。

◆比屋根 “奮投”18K
 マウンドの比屋根雅也がギアを上げた。六回に同点に追い付かれた直後だ。「もう1点もあげられない」。七回を三者凡退とすると、八回の先頭から延長十回の2人目まで8者連続で三振を奪った。「真っすぐが走っていた」と語る左腕が積み重ねた三振は18。「大事な場面で失点をした」と敗戦に笑顔はないが、高い実力を証明するには十分すぎる一戦だった。
 三回まで1安打無失点と完璧な立ち上がりだった。「序盤はいい投球ができた」と納得している。しかし四回。安打に失策が絡んで2死二、三塁となった場面で、「抑えようと思って焦りが出た」。打者を追い込みながらも中堅方向へ適時打を許し、2点を奪われた。六回には3安打に四球が絡んで1失点。「気持ちの整理ができていなかった」と反省した。
 七回からは「調子も上がった」と本来の投球を取り戻した。我喜屋優監督は「リズムを崩したけど持ち直してくれた」と復調したエースをたたえた。
 延長十二回の激戦。1点差の惜敗。左腕は最後までマウンドを守り、背番号1の底力を見せた。「勝負どころでいかにコースを突けるか」。九州の強敵との戦いで、自身に足りない部分がはっきりと見えた。「チームみんなと成長して甲子園で勝てる投手になる」。夏に栄冠をつかむため、エースは成長を続けるつもりだ。(平安太一)