龍柱に1億補正予算 那覇市提案、工事遅れ違約金請求へ


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 那覇市は27日の市議会4月臨時会で、整備中の若狭緑地の龍柱について、国の一括交付金を断念して不足した事業費約1億296万円を市の予算で賄うための補正予算案を提案した。2012、13年度と一括交付金を受けてきたが、14年度は完工できず交付金の繰り越し申請を断念していた。議員らは質疑で、市財政からの持ち出しとなった理由や、責任の所在について市当局を問いただした。5月1日に採決の予定。

 市側は、15年度への交付金繰り越しを断念する主な原因について14年度内に工事を完了できなかったためと説明した。未完了の背景について市側は「元請け業者が当初の掘削作業に失敗し、くいの設計をやり直すなどしたため工期の遅れが生じた」と指摘し、業者の責任を強調した。業者に対して違約金を請求する方針を示した。
 議員からは、事業を完遂できなかった場合に既に受け取った交付金の取り扱いについて質問が相次いだ。市側は交付済みの12、13年度分の約1億700万円について、事業が完了しなければ国から返還を求められる可能性も示唆した。その上で市側は、事業を完了するために補正予算案成立への理解を議員らに求めた。
 臨時議会は5月1日までの日程で、28日には予算決算常任委員会に元請け業者を招致して、工事が遅れた原因などについて質問する。