白梅の証言 朗読劇に 演出・黒川さん、同窓会と懇談


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朗読劇「白梅学徒看護隊の青春」について中山きく白梅同窓会長(中央)らに報告する黒川礼人さん(右)=14日、那覇市のホテル山の内

 沖縄戦傷病兵看護に動員された元白梅学徒隊の証言を基に制作され、4月29日~5月3日に東京で上演された朗読劇「白梅学徒看護隊の青春」(劇団一の会主催)で企画、演出などを手掛けた黒川礼人さん(46)=神奈川県=が来県し、14日に白梅同窓会(中山きく会長)と那覇市内のホテルで懇談した。

 黒川さんは、白梅学徒隊が負傷兵を看護した野戦病院壕があった八重瀬岳(八重瀬町)や白梅の塔(糸満市)などを訪れた。懇談会には県立第二高等女学校出身者ら17人が参加。元学徒らに公演のパンフを手渡し、プロの声優らが出演した公演の様子を報告した。
 公演について黒川さんは「多くの人が来場し、証言を読むことを通して伝えることの重要性を感じた。アンケートに『沖縄でこんな戦争があったなんて知らなかった』という声もあり、衝撃を受けた。出演者がこれを機に家族から戦争体験を聞くなど、身近な戦争を掘り起こす機会にもなった」と振り返った。
 中山会長(86)は「当時のことを、戦争を知らない世代にも正確に伝えてくれたことに感謝している」と話した。