沖大逆転、4強 九州大学野球第2日


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第一工業大―沖縄大 9回2死一、三塁で同点の内野安打を放つ沖大の亀川良太=22日、北谷公園野球場(屋嘉部長将撮影)

 大学野球の第93回九州地区選手権大会第2日は、沖縄セルラースタジアム那覇などで準々決勝を行い、沖縄大(沖縄地区2位)が最終九回に逆転に成功し、第一工業大(鹿児島地区1位)を2―1で下して準決勝進出を決めた。

準々決勝から登場した名桜大(沖縄地区1位)は西日本工業大(福岡・長崎地区3位)に3―5で敗れた。23日は同球場で準決勝があり、沖縄大は午後0時半から宮崎産業経営大(宮崎地区1位)と対戦する。

◆我慢続け 好機逃さず 沖大、春大敗の雪辱
 スコアボードに「0」が並ぶ。得点圏に走者を進めても本塁が遠い。それでも沖縄大の大城貴之監督は「うちの選手は八、九回に何かをやってくれる」と信じていた。我慢の時間が長くても、「チャンスは絶対に来る」と選手を鼓舞し続けた。1点を追う九回。大城監督が予想したとおりの展開が待っていた。
 先頭の美崎直聖が変化球を右前に運んで出塁すると、犠打に山口栄太郎の右前打などで2死一、三塁に。好機で迎えた打者は大城監督が「足の速さはどこに連れて行っても一番」と評価する亀川良太だった。投手の後方に落ちる当たりで一塁に全力疾走し、頭から滑り込むとセーフの判定。同点の走者が生還し、「足を使えば大丈夫だと思った」と笑顔を見せた。
 直後に金城森也が四球を選んで満塁とし、打席には内間安音が立った。「昨日の試合でエラーをしたので絶対に打ちたかった」と左前へ逆転の適時打を放った。「点を取れなくて我慢してた気持ちを爆発させた」と笑顔を見せた。
 第一工業大は3月のオープン戦で6―20と大敗した相手で、大城監督は「あの試合があったから今日は奮起できた」と目を細める。初戦、準々決勝と1点差の接戦を制し、九州のベスト4まで駆け上がった。「これで満足せずに次も全力で戦う」と大城監督は誓いを込めた。(平安太一)