沖大、62季ぶり決勝 九州大学野球


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沖縄大-宮崎産業経営大 3日連続でマウンドを任されながら完投勝利を収めた沖大のエース山城翼=23日、沖縄セルラースタジアム那覇(諸見里真利撮影)

 大学野球の第93回九州地区選手権大会決勝トーナメントは23日、沖縄セルラースタジアム那覇で準決勝を行い、沖縄大(沖縄地区2位)は3-1で宮崎産業経営大(宮崎地区1位)に勝利、1984年の春季九州大会以来62季ぶりの決勝進出を決めた。

沖大は初回に内間安音の三塁打と幸地勇太の犠飛で先制。二回に高嶺宏隆の中前打と亀川良太の二塁打などで2点を追加した。先発の山城翼は散発5安打の1失点で完投勝利した。沖大は大会最終日の24日午前11時から、同スタジアムで西日本工業大(福岡・長崎地区3位)と決勝戦を行う。

◆さえるツーシーム 山城、貫禄の5安打1失点
 3日連続で先発のマウンドを託されても、沖縄大の山城翼は「いつでも行ける準備をしていた」と涼しい表情で語る。
 130キロ台のツーシームでゴロを打たせ、鋭く落ちるカットボールで三振を取る。散発の5安打で1失点の完投。最後までマウンドを守り抜き、エースとしての貫禄を見せた。
 大城貴之監督は山城の疲労を考えて「3失点は覚悟していた」と明かす。勝利に必要なのはそれ以上の点を奪うこと。試合前、選手たちに「今日は(山城に)点を与えよう」と呼び掛けていた。その言葉に呼応するように、初回に先制点を奪う。二回2死一、二塁には亀川良太が左越えの2点適時打を放ち、エースを援護した。
 序盤に3点を先取し、山城は「気持ちにゆとりを持って投げられた」と言う。三回まで無安打で抑え、四回に初安打を許しても後続を打ち取った。テンポの良い投球で相手打線をかわし、最終回に失策から失点をしても「エラーはつきものだと思って気持ちを切らさず投げた」。最後は得意のツーシームで試合を締めた。
 大城監督は「(山城は)いい投球ができていた」と納得の表情を見せる。一方で三回以降は無得点だったことに「4点目を取れなかったことは反省点だ」と言う。次は決勝の舞台。相手は過去4度の九州大会制覇を誇る西日本工業大だ。大城監督は「決勝を意識せずに戦いたい」と普段通りのプレーで強敵に立ち向かうつもりだ。(平安太一)