男子・那覇V、女子・美里4連覇 県高校総体サッカー


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 県高校総合体育大会は6日、サッカーの男女決勝を県総合運動公園陸上競技場で行った。男子は那覇が那覇西を1―0で破り、14年ぶり4度目の優勝を飾った。女子は美里がコザを1―0で下し、4年連続5度目の頂点に立った。夏の集中開催は同日が最終日で、10月に秋季ラグビーと駅伝を行う。

◆男子・那覇 泥くさく、全国つかむ 全員で立ち向かい雪辱
 試合終了を告げる長い笛が鳴ると、那覇イレブンは抱き合い、スタンドに駆け寄って勝利の喜びに酔いしれた。1月の県高校新人大会決勝、0―5で敗れた那覇西を相手にリベンジを果たした。GK津覇誉一は「5点取られた悔しさは忘れられなかった。自分たちらしいサッカーで那覇西に勝ててうれしい」と笑顔を見せた。
 那覇西に大差で敗れ「完全にやられた。守備も攻撃も差があった」(津覇)と痛感させられた。その差を埋めるためには何が必要か。話し合い、導き出した答えが「泥くさい守備」だった。
 再戦に燃える選手たちは、その泥くささを遺憾なく発揮した。雨でぬかるむピッチを縦横無尽に走り回り、プレスをかけて那覇西の攻撃の芽を摘み取った。主将のDF佐藤雅哉は「個人でやられても、みんなで助け合って守備をしようと思った」。全員で那覇西に立ち向かった。
 耐える那覇にチャンスが訪れる。後半21分、高い位置でボールを奪うと、前線へ走り込むDF藤本凌へスルーパス。トラップしながら「前へ出てくるGKが見えた」。落ち着いてかわし、ゴール右隅へ流し込んだ。
 宿敵を倒し、つかんだ全国総体の切符。佐藤は「全国でも泥くさく、チーム全員で戦っていきたい」と誓った。(荒井良平)

◆女子・美里 重圧に耐え、勝ち切る 均衡破ったFW那覇
 小雨交じりのピッチに笑顔がはじけた。女子決勝は美里がコザの堅守に苦しめられながらもV4を達成し、主将のDF比嘉帆花は「重圧もあったが勝ててよかった」とほっとした表情を浮かべた。
 前半27分、均衡を破ったのはFW那覇紀布佳。コーナーキックはゴール正面に陣取る那覇の足元へ。横にマークがぴったり付き、正面に相手GKもいたがパスは考えなかった。「この大会、調子が悪かったので絶対自分が決めると思っていた」。相手守備をものともせず、冷静に押し込んだ。
 その後はボールを保持し、優位にゲームを進めるが相手GKの好セーブもあって追加点を挙げられない。苦しい時間帯に守備陣が踏ん張った。
 コザのカウンターも集中力を切らさずしのいだ。「危ない場面はきちんと声を掛け合ってマークの受け渡しを確認した」と比嘉。声を出して互いの判断を伝える基本を最後まで怠らなかった。
 全国切符を懸け、九州へ乗り込む。那覇は「フィニッシュの精度を上げていきたい」と意気込んだ。(荒井良平)

男子決勝 決勝点を挙げる那覇のDF藤本凌=6日、県総合運動公園陸上競技場(荒井良平撮影)
女子決勝 決勝点を決める美里のFW那覇紀布佳(左から2人目)(仲本文子撮影)