鎮魂の歌声響く 長崎の高校生ら小桜の塔で合唱


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「大切なふるさと」を歌う、つしま丸児童合唱団の子どもたち(前列)と活水高校の生徒たち(後列)=13日、那覇市の小桜の塔

 長崎県の活水高校の生徒11人が13日、1944年に学童疎開船・対馬丸が米軍に撃沈された対馬丸事件の犠牲者を祭る那覇市の小桜の塔を訪れ、つしま丸児童合唱団と「大切なふるさと」などを歌った。対馬丸事件を事前に学んだ生徒たちは、沖縄戦と長崎に落とされた原爆の犠牲者への鎮魂の思いを歌声に込めた。

 活水高校の生徒らは「大切なふるさと」を作詞・作曲した上田益(すすむ)さん(59)が実行委員会代表を務める「レクイエム・プロジェクト」の公演(14日、浦添市てだこホール)に出演するため来県した。
 生徒たちは県平和祈念資料館などを訪ねて事前学習した。この日は小桜の塔に献花し、合唱で歌詞の「ふるさと」を「沖縄」「長崎」に変えて歌った。
 活水高校の平和学習部で活動する武田留奈さん=3年=は「体験者の証言には資料で感じられない生々しさがあった」と語った。福田真理子さん=同=は「対馬丸事件は悲惨で、自分の身に起きたらと考えると耐えられない。戦争が二度とないように、平和の願いを込めて歌った」と話した。つしま丸児童合唱団の花岡光君=垣花小5年=は「一緒に平和を伝えることができてよかった」と話した。