崎原、無差別制す 体重別柔道県選手権


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成年男子無差別級決勝で積極的に攻め続ける崎原永佑=14日、県立武道館第三錬成道場(諸見里真利撮影)

 柔道の2015年度県体重別選手権大会兼国体選考会が14日、県立武道館第三錬成道場で行われ、成年男子無差別級決勝で崎原永佑(県警)が体落としで伊禮祐(沖縄刑務所)を破って頂点に立った。

少年男子60キロ級は馬場雅之(沖尚)が延長戦を制して栄冠を手にした。少年女子52キロ級では照屋ひなた(豊見城南)が、同無差別級では比嘉杏美乃(沖尚)が優勝を果たした。

◆土壇場 逆転の体落とし
 試合時間は残り1分を切っていた。成年男子無差別級の決勝。技ありで先行されていた崎原永佑(県警)が勝負に出る。相手に体を寄せて力強く組むと「何が何でも技を決めようと思った」。体落としで相手を畳に沈めると、審判の手が上がり「一本」を告げた。残り時間は42秒。最終盤の逆転劇で栄冠を手にした。
 決勝で対戦した伊禮祐(沖縄刑務所)と公式戦でぶつかるのは初めて。組手が自身と反対で、苦手なタイプだった。「絶対に勝とう」と決意して試合に臨んだが「慎重になり過ぎた」と言うようになかなかリズムをつかめなかった。さらには「技を返されるイメージが拭えなかった」と積極的になれなかった。
 試合の中盤、背負い投げを返されて技ありを取られた。「中途半端な技になった」と反省するが、先手を取られたことで気持ちが吹っ切れた。慎重になり過ぎていた姿勢を一転し「返されてもいいから先に技を仕掛けよう」と果敢に攻めた。「時間は気にならなかった」と落ち着いて相手と向き合うことで、最後に白星をたぐり寄せた。
 この日は準決勝で強敵の七戸虎(九州電力)に勝利した。「強い選手を相手に最初にポイントを奪えたことが良かった」と手応えをつかんだ様子だ。そして、「これからも先にポイントを取る意識で戦いたい」と決意を新たにした。(平安太一)