【浦添】浦添市仲間自治会で15日、戦争体験者への聞き取り調査が行われ、区民ら約30人が参加した。浦添市立中央公民館が企画した平和講座(全5回)の一環として実施された。
地域のお年寄りが語った戦争体験は職員らがタブレット端末iPad(アイパッド)で動画撮影した。それぞれ10分程度に編集した上で、浦添市教育研究所のホームページに掲載する予定。
又吉武市さん(78)は沖縄戦当時8歳。10・10空襲で那覇の町が焼ける様子や、浦添が陥落した後、南部に避難した体験などを生々しく語った。「家族と東風平に避難する際、負傷した日本兵に『ぼーや、水ちょうだい』と足をつかまれた。妊婦が爆撃でやられる様子も鮮明に覚えている」と記憶をたどった。
今後、前田自治会でも同様の取り組みを行う。仲間地区と前田地区は浦添城址のすぐそばにあり、浦添市の中でも日本軍と米軍が戦闘を繰り広げた激戦地だった。同館職員の渡辺智子さんは「映像記録は平和学習の教材として活用してほしい」と期待した。
仲間自治会の比嘉鉦由(まさよし)会長は「戦争体験を子どもたちに継承するために、映像に残すのはいい取り組みだ。字誌を作る際に、体験者に聞き取りしたテープの音源もデジタル化できるようにしたい」と語った。