第97回全国高校野球選手権沖縄大会第3日は23日、沖縄セルラースタジアム那覇などで1回戦8試合を行い、コザが接戦の末、2―1で名護を下した。首里東は延長戦で北谷を破り、2回戦へ駒を進めた。
そのほか沖縄工、知念、与勝、浦添商、美里工、嘉手納が勝利した。第4日の27日は北谷公園野球場、宜野湾市立野球場で1回戦4試合を行う。
◆主将の一発でコザ一丸/名護、2点目遠く
コザの内間敦也と名護の當山昇平の両エースによる息詰まる投手戦を制したのは、試合開始直後に主将の兼本陸が気迫の本塁打を放ったコザだった。168球を投げて17奪三振した内間は五回から八回、満塁のピンチをたびたび迎えながらも、コントロールのあるストレートを駆使して決定打を許さなかった。
「甘く来た球を思い切り振った」という兼本の本塁打に引っ張られるように熱投した内間は途中、右足親指の血豆が破れた。嘉陽宗雄監督は「今大会は内間で最後まで行くと伝えていた。薄氷を踏む思いだが頑張ってくれた」と話す。八回満塁で捕手の田盛優也が続投を確認すると、内間は大丈夫のサインを出し、「主将の1本を思い出し、ギアを入れ直した」。
満塁のチャンスを得ても名護はあと1点に手が届かなかった。2失点したがコザ打線を4安打に抑えて97球で完投、適時打も打って活躍した當山は試合後、悔しさに目を腫らした。序盤の本塁打、そして二回一死からの四球がコザに2点目を与える契機をつくってしまったと悔やむ。「ベンチの3年生の分まで勝ちたかった。野手に助けてもらい感謝している」と言葉を振り絞った。
内間は「相手がいい投手になるほど1本の大切さが出る」とかみしめた。兼本は「硬さも取れる2回戦は、リズムのある守りで攻撃をつくっていく」と誓った。(石井恭子)
<きのうの結果>
▽1回戦
沖縄工 9―0 南部商
(七回コールド)
知念 3―2 豊見城南
与勝 6―1 未来沖縄
首里東 5―3 北谷
(延長十三回)
浦添商 9―0 沖縄高専
(七回コールド)
コザ 2―1 名護
美里工 12―10 宜野湾
嘉手納 3―0 首里
<27日の試合>
▽1回戦
【北谷】9時
読谷―那覇工
中部商―向陽
【宜野湾】9時
小禄―豊見城
昭薬付―沖水