荒井警察部長の功績 後世に 地元顕彰会が来県 沖縄戦当時


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大田昌秀元知事の話に聞き入る荒井俊典さん(左から2人目)ら「荒井退造顕彰事業実行委員会」のメンバー=25日、那覇市西の沖縄国際平和研究所

 沖縄戦当時、島田叡(あきら)知事と共に県民の疎開などに力を尽くし、糸満市摩文仁で消息を絶った荒井退造警察部長(現在の県警本部長)の出身地、栃木県の関係者でつくる「荒井退造顕彰事業実行委員会」が、26日午前11時に那覇市で行われる島田氏の顕彰碑除幕式に参加する。

25日にはメンバー5人が那覇市に大田昌秀元知事を訪ね、荒井氏の印象や顕彰の動きについて聞いた。
 実行委は、父が荒井氏のいとこにあたる荒井俊典さん(77)=栃木県宇都宮市=が会長を務める。沖縄には島田氏と共に名を刻まれた碑が建つが、故郷では荒井氏を知る人が少ないという。俊典さんも「沖縄での功績を詳しく知らなかった。戦後70年、ここでやらなければ風化してしまう」と思いを語る。
 俊典さんの同級生の室井光さん(77)がことし行った講話が地元紙に取り上げられたことなどから機運が高まり、4月に実行委が発足した。荒井氏の生まれた9月22日前後に記念誌を発行する予定で、大田元知事に巻頭文を依頼した。
 懇談で大田さんは島田氏の前任者が上京したまま不在だった期間、荒井氏が行政の陣頭指揮を執ったことなどを評価し「地元で顕彰の動きがあるのは非常にうれしい」と話した。
(大城周子)