琉球3連勝、5位浮上 サッカーJ3第18節


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 サッカー明治安田J3のFC琉球は28日、ガイナーレ鳥取と県総合運動公園陸上競技場で第18節を戦い、2―1で勝利した。琉球は昨季、J3に参戦してから初の3連勝で順位を二つ上げて13チーム中5位に浮上した。

 前半14分、DF浦島貴大のヘディングで先制。同23分に追い付かれるが、後半41分、途中出場のMF藤澤典隆のゴールで勝ち越した。琉球は7勝4分け6敗、勝ち点25。この試合は午後6時キックオフで県内初のJリーグ公式ナイターとして行われ、観客は今季最多の8993人だった。
 琉球は次節、福島ユナイテッドと7月5日午後6時から、同競技場で対戦する。

(2)沖縄県(1勝1敗)
琉球 7勝4分け6敗(25)
2―1(1―1,1―0)
鳥取 7勝2分け7敗(23)
▽得点者【琉】浦島(1)藤澤(2)【取】フェルナンジーニョ(1)
▽観衆 8993人

 【評】FC琉球は前半14分、浦島が頭で決めて先制するが、マークがルーズになったところをフェルナンジーニョに決められ、追い付かれる。3バックの琉球は両サイドの浅田、屋宮を起点に好機をつくろうとするがゴールに結び付かない。後半は運動量で勝る琉球が徐々に主導権を握り後半41分、岩渕のパスを藤澤が押し込み、試合を決めた。(荒井良平)

◆最後まで得点目指した
 薩川了洋監督(FC琉球)の話 選手たちが頑張ってくれたし、たくさんのサポーターが声援で選手の背中を押してくれて取れた勝ち点3だ。いい形で先制し、引き気味になって追い付かれた。後半は暑い中、運動量を落とさなかった。最後までゴールを目指した選手の姿勢を評価したい。

◆藤澤、執念の決勝点/途中出場で輝き
 こうこうとともる照明の下、最も鮮烈な輝きを放ったのはFC琉球のMF藤澤典隆だった。値千金の決勝ゴールで、県内初のJリーグ公式ナイターに集まった8993人の観客へ勝利と笑顔をプレゼントした。これでチームはJ3初の3連勝、そして5位浮上。「たくさんのお客さんが来てくれて力になったし、勝利を分かち合えてよかった」と笑顔を見せた。
 1―1で迎えた後半16分、藤澤が投入されると疲れの見えたガイナーレ鳥取へ積極的に仕掛けた。同41分、ドリブルで抜け出したMF岩渕良太からパス。藤澤は背後の相手DFとファーストタッチで入れ替わり、裏へと抜け出した。
 ここまでは「イメージ通りだった」が、つんのめってバランスを崩した。それでも藤澤の足は前へ出ることをやめない。泥くさく左足で押し込み、執念の決勝点をもぎ取った。
 この日、MF小幡純平がメンバー外になるなどチーム内の競争が激化、藤澤もその渦中にある。「結果を出すことがいまの自分に必要なことだ」とチームの勝利へ全力を尽くすつもりだ。(荒井良平)

◆8993人と初ナイター
 8993人の観客が県内初のJリーグ公式ナイターを楽しんだ。午後6時45分すぎ、ハーフタイムを迎えると4基のLED照明灯が点灯し、ピッチ上の選手たちを明るく照らし出した。
 ホームゲームをよく観戦しているという那覇市の会社員、下地正浩さん(31)は「風があって気持ちよく観戦できた」と満足した様子。女子サッカー部のチームメートと訪れた那覇西高2年の大田海帆さん(16)、東郷真帆さん(16)は「照明に照らされる選手がめっちゃきれいに見えた。また来たい」と喜んだ。
 FC琉球のDF浦島貴大は「沖縄で夏の昼に試合するのは厳しい。涼しいナイターができるのは選手にとってはうれしいこと」と歓迎した。

後半41分、相手DFの裏へ抜け出し、決勝点を決めるMF藤澤典隆=28日、県総合運動公園陸上競技場(屋嘉部長将撮影)
県内初のJリーグ公式ナイター。試合後、肩を組み喜びを表現するFC琉球の選手たち=28日午後8時、県総合運動公園陸上競技場