沖縄芸能史研究会(當間一郎会長)が4、5の両日に那覇市の県男女共同参画センター「てぃるる」で開かれる第40回研究発表大会で40年の活動を終える。発足当初から会の運営を担ってきた當間会長の後継者がいないためだ。
同会は研究者だけでなく芸能実演家も会員となり、先達(せんだつ)や自身の芸について解説してきたのが特徴。當間会長は「舞台に立つだけでなく研究発表してもらい、実演家の底上げにつながった」と成果を振り返った。
同会は1975年に発足し、照屋寛善氏が初代会長に就任した。崎間麗進氏が二代目会長を務め、當間氏が99年から会長を務める。
月例研究会と年1回の研究発表大会を40年続け、月例研究会はことし6月の第436回で終了した。芸能の大家の指導法や人柄などについて弟子が発表する「わが師を語る」シリーズは95年に本にまとめられ、貴重な記録となっている。87年からは組踊と能の比較鑑賞会にも関わってきた。
94年に第1回島袋光裕芸術文化賞、2001年に第23回サントリー地域文化賞を受賞した。
當間会長は活動終了の理由について「何人かに引き継ぎを打診したが、できないと言われた。また誰かが新しい会を始めるなら協力を惜しまない」と話した。
(伊佐尚記)