沖尚執念、逆転サヨナラ 夏の甲子園県大会第6日


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沖尚―那覇商 延長11回沖尚1死満塁。比嘉優真の中前打でサヨナラの本塁に滑り込む高良諒=4日、沖縄セルラースタジアム那覇(諸見里真利撮影)

 第97回全国高校野球選手権沖縄大会第6日は4日、沖縄セルラースタジアム那覇などで2回戦8試合を行い、3連覇の懸かる沖縄尚学は那覇商に九回裏で追い付く粘りを見せ、延長十一回に7―6で逆転サヨナラ勝ちした。

普天間も前原との息詰まる投手戦を制し、延長十三回の末に2―1でサヨナラ勝ち。八重山は投打がかみ合い、浦添に3―1で競り勝った。南風原は那覇の反撃を振り切り、3―2で接戦をものにした。第1シードの興南は6―0で石川を下し、危なげなく初戦突破。美来工科は8―2で北中城に快勝し、沖縄工は首里東に3―0で完封勝利、那覇西も北山を3―0で完封した。

◆沖尚 二度、土壇場でしのぐ
 延長十一回表、那覇商のスコアボードに「3」の数字が刻まれた。九回と同様に3点を追い掛ける展開で、沖尚の中村将己主将は仲間に呼び掛けた。「裏の攻撃で絶対にいける」。九回は土壇場で追い付いた。再び3点差をはね返すため、沖尚ナインが奮い立った。
 先頭の神里廣之介が四球を選ぶと、1死となった後に与那覇廉も四球で歩いて一、二塁に。上原大雅の二塁打で2点を返し、死球と安打が続いて1死満塁とした。打席に立った中村は、「自分のスイングをするだけ」と気負いはなかった。右前に白球を転がして同点とした。
 続く満塁の好機で打席には今大会初先発の比嘉優真。「練習から調子が良かった」と指揮官が評価する2年生が初球を中前にはじき返すと、高良諒がサヨナラの本塁に滑り込んだ。「すごく緊張した」と言う比嘉は、勝利の瞬間に涙があふれた。
 一昨年、昨年の先輩たちも苦しい試合を乗り越えて甲子園の出場切符をつかんだ。3年連続の甲子園に向けて、中村は「自分たちも一つになって勝ち上がろう」とチームを引っ張った。試合後は那覇商ナインから「甲子園に行って」と声を掛けられた。中村は「絶対に行きます」と熱戦を繰り広げたライバルの思いを胸に込めた。(平安太一)

◇きのうの結果
▽2回戦
興南 6―0 石川
南風原 3―2 那覇
美来工科 8―2 北中城
八重山 3―1 浦添
沖縄尚学 7―6 那覇商
  (延長十一回)
那覇西 3―0 北山
沖縄工 3―0 首里東
普天間 2―1 前原
  (延長十三回)

◇きょうの試合
▽2回戦
【セルスタ】9時
沖縄水産―中部商
糸満―美里工
コザ―小禄
【北谷】9時
浦添商―嘉手納
知念―与勝
南部工―宜野座
【宜野湾】9時
宮古―読谷
具志川商―那覇国際

※注:高良諒の「高」は旧字体