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内間御殿 フクギ伐採「残念」 専門家ら「景観変えた」

 【西原】西原町嘉手苅にある国指定史跡「内間御殿(うどぅん)」の周囲にある複数のフクギやガジュマルの一部伐採と枝切りが、町教育委員会の「内間御殿整備事業」の一環で6月から行われている。

史跡の石積みの保護と倒木防止が目的だが、一方で植物の研究者からは「樹齢250年とも推定されるフクギが伐採され、内間御殿の景観が変わっている。石積みもフクギも両方が共存する方法は取れなかったのか」と疑問の声も上がっている。
 内間御殿にはフクギの木約180本を含め約500本の樹木があるとされるが、そのうち枝切りされたのはフクギを中心に約40本、根元から切り倒したものと高さが2・5メートル程度に伐採された木が合わせて7本ある。フクギの根が石積みを持ち上げ崩れる原因になっているとし、実際に崩れている部分もある。
 町教育委員会文化財係の山田浩久主任主事は「風が吹き木が揺れると、根に振動が伝わり、根っこから石積みに影響すると考えられ枝切りした。根元から切った木は傾いており、幹が空洞化していた。台風時に倒木の恐れがあり、近隣住民からも心配する声が寄せられていた」と説明する。
 西原町教育委員会から委託を受け、2年前に内間御殿周辺のフクギ林の分布と樹齢の推定に関する調査報告書をまとめた琉大名誉教授の仲間勇栄農学博士(森林政策学)は「樹木を含めた空間が内間御殿を形成している。フクギは直根性といって、根が地下にまっすぐ伸びる性質がある。フクギの根っこと石積みの崩壊がどう関係しているのか調査した上で、共存の道を探るべきではないか」と指摘する。
 一方で、地元の町嘉手苅の宮平勇自治会長(69)は、地域として道側に傾いている木は倒木の恐れがあるとし、伐採の要望を出していたと語る。「4~5年前に内間御殿のガジュマルが倒木したことがあり、これが民家側だったら危なかった。また葉が生い茂って暗く、不審者対策としても枝切りで見通しがよくなったのはいいと思う」と話している。
 フクギの枝切りなどは、内間御殿整備委員会で協議した結果、計画書を県や国に提出し承認された上で国の予算を活用し行っている。同委員会のメンバーは、考古学や歴史学、都市計画などが専門の外部識者と行政関係者で組織し、造園師が委員にいるが植物学の専門家はいない。
 西原町文化財調査審議委員で植物社会学などが専門の仲田栄二さん(70)は整備委員会のメンバーではない。「話を聞いて初めて知った。相談がなかったのは残念だ。フクギは風であまり揺れない。風で根が震動するとは考えにくい」と話している。


フクギが伐採された根元を指し示す仲間勇栄さん=7日、西原町嘉手苅、内間御殿

かつてはうっそうとフクギに覆われていた東江御殿神殿だが、今は枝切りされている