【八重瀬】平和学習の講師派遣と戦跡の調査・保存を行う沖縄平和ネットワークと県観光ボランティア友の会は8日、八重瀬町役場を訪れ、同町の戦跡「ヌヌマチガマ」の指定管理者の見直しを求める文書を比屋根方次町長に提出した。2団体は「今まで平和学習や調査に関わってきた団体を無視して指定管理者の決定をしたことは結論ありきだ」と抗議し、今後平和学習で同ガマを活用しない方針を町に伝えた。
同町はことし3月末までに、沖縄戦中に日本軍の野戦病院壕として使われた同ガマを戦争遺跡公園として整備。5月末に平和ネットと友の会を含む計5団体に指定管理者の公募を呼び掛けた。町議会6月定例会で、公園利用に関する条例と共に同ガマの指定管理者をNPO法人自然体験学校にする案を可決。同ガマの入壕申し込みの窓口は同NPOに一元化される。
これまで平和ネットと友の会の2団体は学校や旅行社から直接講師派遣の依頼を受け、両団体間で入壕時間の調整をして平和学習を実施してきた。同ガマでは年間で合計約2万2千人の修学旅行生らを案内した。
町の戦争遺跡公園整備を受け、2団体はことし5月1日に町役場を訪問し、「これまで平和ガイドをしてきた団体と話し合いながら管理方法などを決めてほしい」と要望していた。