ダバオ沖縄の塔で遺族ら追悼式 戦没者へ平和の誓い


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
家族らの冥福を祈り手を合わせる参列者ら=26日、フィリピン・ミンダナオ島ダバオ市の「沖縄の塔」

 【ダバオ=大嶺雅俊】太平洋戦争の激戦地、フィリピン・ミンダナオ島ダバオ出身者らでつくる県ダバオ会(山入端(やまには)嘉弘会長)は26日、旧日本人ミンタル墓地「沖縄の塔」で法要慰霊追悼式を開いた。県内外の遺族や現地関係者ら約70人が参加し、墓前に菓子や果物などを供えて戦争で命を落とした肉親や親族らの冥福を祈った。

 参列者は幼少期に過ごしたダバオの思い出や70年前の家族らとの別れを思い返しながら、じっと手を合わせた。山入端会長は県民の開拓の歴史や悲惨を極めた戦争当時の状況に触れ「私たちはダバオを訪れ続け、この地で皆さまと会うことを何よりの務めと誓う」と追悼の言葉を述べた。
 参列者は戦時中、多くの県民が逃げ込んだタモガンの山を見渡せる高台にある「平和友好記念碑・納骨堂」でも焼香。遺族による追悼舞踊や参列者による「ふるさと」の合唱で、戦没者を慰めた。