FC琉球、我慢のドロー サッカーJ3第22節


社会
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先制点を決めた琉球の田中恵太(7番)=26日、県総合運動公園陸上競技場(屋嘉部長将撮影)

 サッカー明治安田J3のFC琉球は26日、県総合運動公園陸上競技場で長野パルセイロと第22節を戦い、1―1で引き分けた。8勝5分け8敗で勝ち点は29、13チーム中5位から6位に後退した。

前半の開始直後に主導権を握った琉球は積極的にシュートを狙って相手ゴールを脅かした。前半8分に岩渕良太が相手ボールを奪うと、右サイドから攻めて田中恵太のミドルシュートで先制した。しかし長野の勢いが増すと押し込まれる時間が増え、同36分に同点とされた。試合終了間際に長野が好機を作り出したが、琉球が懸命に守って得点を許さなかった。次節は29日、富山県総合運動公園でカターレ富山と対戦する。

琉球 8勝5分け8敗(29)
1―1(1―1,0―0)
長野 13勝2分け5敗(41)
▽得点者【琉】田中恵(6)【野】佐藤(8)
▽観衆 723人

 【評】FC琉球が苦しい時間をしのいで引き分けに持ち込んだ。立ち上がりは琉球の勢いが上回り、前半8分に先制した。長野は徐々にペースをつかみ、同36分に追い付いた。後半は長野が琉球ゴールに迫ったが、ファウルが続いて得点できなかった。試合終了間際も長野が猛攻を仕掛けたが琉球が守りきった。(平安太一)

◆うちのゲームだった
 薩川了洋監督(FC琉球)の話 前半は選手たちの集中力が高く、うちのサッカーがいい形で現れていた。先制できたのも大きく、うちのゲームだった。(後半は)疲れからミスも出てあと1点が取れなかったけど、自分たちのサッカーで上位のチームと戦えて選手も自信になったはずだ。

◆勝ち点3欲しかった
 美濃部直彦監督(長野パルセイロ)の話 最近のFC琉球の試合を見ていて、簡単に勝てる相手ではないと思っていた。最後はビッグチャンスがあったが、動きが重かったことが残念だ。苦しいゲームではあったけれど勝ち点3は欲しかった。

◆長野の猛攻しのぐ/貴重な勝ち点1
 後半45分。長野がクロスから連続でシュートを放つ。ゴールを脅かされる緊迫した状況で、琉球の選手たちは全力で守った。そしてピッチに試合終了を告げる笛が鳴る。1―1のドロー。
 白星こそ逃したが、これまで負けっ放しだった長野から貴重な勝ち点をつかみ取った。
 序盤は琉球のペースだった。高い位置からプレッシャーを与えて長野のミスを誘い、相手ゴールに迫ると積極的にシュートを放った。前半8分、右サイドから上がったクロスを田中恵太が受け、鋭く右足を振り抜いてゴールネットに突き刺した。昨季まで長野でプレーしていた田中は、「いつもと違う強い気持ちがあった」と古巣に全力で立ち向かった。
 しかし長野も黙っていなかった。前半36分はロングパスから左サイドに展開され、中への速いクロスから得点された。後半も猛攻を受けたが、琉球が最後まで我慢して決勝点を与えなかった。
 薩川了洋監督は「よく走って集中してくれた」と選手をたたえる。
 一方で田中には「勝ちたかった」との思いもある。上位の長野を最後まで苦しめた収穫。勝利まであと一歩だった悔しさ。その全てを力に変えて、琉球は前進していく。(平安太一)