FC琉球、競り勝つ サッカーJ3第24節


社会
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試合終了間際、決勝ゴールを挙げて駆け出すFC琉球のFW才藤龍治(右)=2日、県総合運動公園陸上競技場(屋嘉部長将撮影)

 サッカー明治安田J3のFC琉球は2日、YS横浜と県総合運動公園陸上競技場で第24節を戦い、2―1で勝利した。試合終了間際、FW才藤龍治のゴールで勝ち越した。琉球は2連勝でここ4試合負けなし。

10勝5分け8敗で勝ち点35、順位を一つ上げ13チーム中5位になった。琉球は次節、試合がない。次は第26節、首位レノファ山口と15日午後6時半から、山口県の維新百年記念公園陸上競技場で戦う。

(2)沖縄県(1勝1敗)
琉球 10勝5分け8敗(35)
2―1(1―0,1―1)
Y横浜 3勝6分け14敗(15)
▽得点者【琉】中山(3)才藤(3)【Y】吉田明(3)
▽観衆 1023人

 【評】FC琉球が序盤からボールを保持し、好機をつくった。前半27分、中山のゴールで先制し、1―0で折り返す。後半、疲れから動きが悪くなり、後半32分に追い付かれたが選手交代で勢いを取り戻した。試合終了間際に途中投入の才藤が決め、勝ち点3を手にした。(荒井良平)

◆勝ち点3大きい
 薩川了洋監督(FC琉球)の話 勝ち点3が取れたのは大きい。3連戦の最後の試合で選手も疲れがたまり、後半はプレーの質が落ちていたが、よく勝ち切れるようになった。(次戦、首位山口との対戦は)うちは何も失うものはない。楽しみにしている。

◆まだ成長足りない
 有馬賢二監督(YS横浜)の話 前半1点取られた中でも選手は諦めずにボールを奪いにいった。後半はボール保持しながら追い付いたところまでは成長を感じた。しかし最後、勝ち点1も取り切れないということは、まだまだ足りないということだ。

◆途中出場 ルーキー才藤/終了間際 勝ち越し弾
 FC琉球のヒーローは途中出場のルーキー、FW才藤龍治だった。先制しながら追い付かれ、迎えた後半ロスタイム。FW中山悟志の折り返しを右足で押し込み、劇的な決勝弾を決めた。「何が何でも取るつもりだった」と笑顔を見せた。
 前半、中山のオーバーヘッドで先制。主導権を握ったが後半に入ると連戦の疲れから足が止まった。ハードワークが自慢の守備陣も精彩を欠き、後半32分に中央を割られて追い付かれた。
 琉球は後半40分、ベンチに残った最後のフィールドプレーヤー、才藤を前線に投入した。センターバックを1枚減らし、4バックに布陣を変更。DF朴利基は試合での4バックは初めてという“ぶっつけ本番”だったが、リスクを冒してでも「勝ち点3を取りにいった」(薩川了洋監督)という。
 才藤は「味方も相手も疲れている。残り時間が少なくてもワンチャンスがある。それを決めればヒーローだ」とフィールドを縦横無尽に駆け回った。残り時間が少なくなる中、勝ち越しゴールを挙げ、薩川監督も「意地で決めてくれた」と喜んだ。
 サイドバックとしての出場機会も多いが「試合前から『自分が決めて勝つ』と考えていた」。点取り屋としてのプライドをたぎらせる22歳が、チームを勝利に導いた。(荒井良平)