久田(77キロ級)重量挙げ3位 近畿総体第8日


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スナッチで自己ベストを上回る108キロを成功させる77キロ級の久田靖也(糸満)=4日、兵庫県の明石中央体育会館(平安太一撮影)

 【近畿総体取材班】全国高校総合体育大会「君が創る近畿総体」第8日は4日、近畿の2府3県で行われ、県勢は、普及や強化を目的とする公開競技のレスリング女子個人対抗戦を含めた5競技に参加した。

重量挙げ77キロ級の久田靖也(糸満)がトータル240キロ(スナッチ108キロ、ジャーク132キロ)で3位入賞した。バレー男子の西原は正智深谷(埼玉)を破って16強に進出した。ハンドボール男子3回戦の興南は市川(千葉)に敗れて敗退した。剣道は女子団体予選リーグで小禄が敗退、男子個人で島尻知明(興南)、赤嶺遼介(那覇)がそれぞれ3回戦まで進んだが敗れた。レスリング男子個人は120キロ級の仲里優力(北部農林)、60キロ級の大城達人(同)、55キロ級の徳比嘉一仁(南風原)、50キロ級の新垣将吾(北部農林)が3回戦で敗退した。公開競技の女子個人対抗戦で56キロ級の屋比久すず(浦添工)は準決勝で敗れた。

◆プラス思考で有終飾る
 77キロ級の久田靖也(糸満)の胸に銅メダルがきらめいた。表彰台では両手を高々と挙げて笑顔を見せ、「すごくうれしい」と喜んだ。3年生で初めて出場した全国総体でスナッチ、ジャーク、トータルで3位入賞。「メダルを取れて良かった」と誇らしげに語った。
 頭にあったのはプラスの考えだけだった。大会前からスナッチの調子が上がらず、試合前の練習では100キロを落とした。それでも「本番で挙げればいい」と前向きなイメージを抱き続けた。スナッチ1回目の103キロを成功させると、「軽いな」と感じた。勢いに乗って2回目の106キロをクリアして、最後は自己ベストを上回る108キロを挙げた。「失敗することは想像していなかった」と振り返る。
 悔しさも少しはあった。得意のジャークで1回目の130キロを落とした。「自信はあったけど差し上げるタイミングを間違えた」と反省する。同じ重量で挑んだ2回目は「絶対にできる」と自分に言い聞かせて成功につなげた。3回目の132キロは「最後なので悔いのないようにやった」。成功を告げるブザーが鳴ると力強くほえた。
 今年の全国選抜では6位に終わり、「力を出し切れなかった悔しさが大きかった」。総体では「表彰台を狙う」と強い思いが胸の中にあった。高校1年で競技を始め、最後の夏に全国3位の結果を残して「うまく締められて良かった」。メダルを大事そうに握り締め、何度も目を細めた。(平安太一)