ノーベル文学賞作家の大江健三郎氏がこのほど、長年にわたる沖縄との関わりや普天間代替の新基地建設問題についてつづった手記を琉球新報社に寄せた。名護市辺野古沖で新基地建設が強行される状況について大江氏は「いま沖縄で進んでいる安倍政権への強力で的確な反撃に、心からの声援を送りたい思いです。日本全土から反響が起こらねばなりません」と呼び掛けている。
手記は「沖縄で若い人たちと話し合えなかった」という題名が付いている。原稿用紙17枚にわたり、6月21日に宜野湾市で予定していた講演会が自身の体調不良のため中止されたことをわびるとともに、半世紀余にわたる沖縄との関わり、辺野古を訪れたときの心境についてつづっている。
講演会前日の20日に船上から見た大浦湾やキャンプ・シュワブの状況について、県民の抵抗にもかかわらず「半永久的な、しかも最新の機構をそなえた」基地の建設が進んでいることに「大きいショックを受けていたのです」と明かした。
沖縄との関わりについて「私にとっての『沖縄』との出会いの最初から、核兵器と基地ということがつねにある」と記し、国際政治学者・坂本義和氏の1959年の論文を契機に、沖縄の米軍基地と核戦争の危機について考えを深めるようになったことなどを振り返った。
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