近畿総体女子テニス リュー・西里、決勝へ 県勢20年ぶり


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決勝進出を決めて喜ぶ沖縄尚学のリュー理沙マリー(右)と西里夏子=7日、大阪市大正区のマリンテニスパーク・北村(諸見里真利撮影)

 【近畿総体取材班】全国高校総合体育大会「君が創る近畿総体」第11日の7日、大阪府のマリンテニスパーク・北村で行われたテニス女子で、リュー理沙マリー(沖縄尚学)がシングルスの準々決勝と準決勝を勝ち上がり、決勝へ駒を進めた。リューは同日行われたダブルス準決勝でも西里夏子(同)と組んで決勝進出を決めた。テニス競技で県勢が決勝に進んだのは、井上青香(当時浦添)が団体とダブルスで優勝し、シングルスも制して3冠を獲得した1995年以来20年ぶり。

◆リュー、2冠射程
 すらりとした体の一体どこに、これほどの力が隠されているのだろう。テニス女子でリュー理沙マリー(沖縄尚学)がシングルスとダブルスの2冠へ王手をかけた。「1ポイント1ポイント集中して自分ができることをやるだけ」。1日で3セットマッチ3試合をこなしてなお、たたずまいは淡々としていた。
 先に行われたシングルスの試合。準々決勝は、甘くなった返球の跳ね際をたたき、得意の速いテンポで制した。続く準決勝は、ここまで圧勝のスコアで勝ち進んできたリューにとって初の接戦となった。
 ブレークの応酬だった第1セットを7-5でものにした後、第2セットは相手が左利きのパワーヒッターらしく打ち込んで流れをつかみ、気付けば2-5になっていた。
 あと1ゲーム取られれば最終セットにもつれる土壇場。「打ち合いには手こずらなかったけど先に展開した方がいいと思った」。スライスや、クロスからストレートへの切り替えなどで揺さぶり圧巻の5ゲーム連取。「いつかは苦しい場面が出てくると思っていた。気持ちは準備できていた」と心憎いほど冷静だった。
 シングルス、ダブルスともサーブミスが目立ったこともあり「今日よりいいプレーをしないと決勝は勝てない」と緩みはない。自身初の「全国制覇」の称号。それを二つも狙える場所にいる。「最後までやりきって終わりたい」。いよいよ舞台は整った。
(大城周子)